The Rolling Stones @ Tokyo Dome

ローリング・ストーンズのアルバムで一番好きなアルバムは?


ストーンズファンにアンケートを取ると、どれが一番になるか。
Beggars Banquetか、It's Only Rock'n Rollか、Sticky Fingersか、まあそこらへんなのか。
じゃないにしても、だいたいLet It BleedからIt's only Rock'n Rollの間のどれかになるだろう。要は60年代末期から70年代前半あたりだな。これは絶対に間違いない。俺が今までに会ったストーンズファンと称する人々は、皆そこら辺のアルバムを挙げた。



俺は昔はExile on Main St.が好きだったんだ。理由は、これがストーンズのアルバムで一番長い2枚組だから。(もっともCDになると1枚に入りきるサイズだけど)
ところが、俺自身が30にさしかかる辺りからそれまでは「なんか、じみーなアルバムだよな」と思ってた、Black and Blueの凄さに気がついて、ここ何年かはストーンズといえばBlack and Blueばかり聴いてた。あのドス黒いリズムとそれにまた粘るようなピアノが重なって、タマランがな。これ。"Hey Negrita"なんて、もう聴いてるだけでイキそうになる。これだけで御飯3杯はイケる。



俺がリアルタイムで新譜として聴けるようになったアルバムはDirty Workで、これは高校生の時に出たんだよな。もう20年も前だ。既にストーンズは40過ぎのおっさんバンドとして扱われてて、20年前の俺は、36歳の俺がストーンズの新譜を聞くことになるとは想像もしてなかったけど。
とにかくDirty Work以来、ストーンズの新譜はCD発売とほぼ同時に買っている。


ということで、ストーンズの新譜が出た。とはいっても昨年の夏の終わりだか、秋口だか、とにかく俺が大陸横断してる途中に。
出発する前から新譜が出るっていう話は聞いてたんだけど、まあいいや、と。
どうせロクなもんじゃないに決まってるんだ。レコード会社(と言うんだろうか?今でも)との関係なのか何なのか、よくわからんが、ロック雑誌に載る評論家と称する人々は、ストーンズの新譜が出る度に、「原点回帰!」とか「あのストーンズが帰ってきた!」とか言ってきた訳だが、全然そんなことはなくて、正直に言うと、Dirty Workはともかく、Steel Wheels以降のアルバムは俺はほとんど聴いてない。
さっき、CDラックを覗いたら、Bridges to Babylonに至っては、ラックに入ってない。買ってない訳はないので、2〜3回聴いただけで、その後は誰かに貸したままなんだ。


そんな状態でも、新譜が出れば買う、というのはもうほとんど義理というか、断れない同窓会の寄付みたいな感じで買っていただけなのだけども、それでも新譜が出れば、ツアーで来日するし、来日したら、そら行くわな。みたいな。


ともかく、旅行から帰ってきてamazonで注文したA Bigger Bang。
1回目を聴いた時は「うん?!」という感想で、それから何回か聴いてるうちに(というか何回か聴かせる時点でもう違うんだが)、これは凄いと。これは凄いアルバムだと。
まさかストーンズが今さらこんなに凄いアルバムを作るとは思ってなかった、というのもあるんだけど、それにしてもこれは凄いアルバムだ。来たぞ来たぞと言われ続けて20年。「もう来ねえよ!」と思ってたオオカミがやってきた。
おっさんというか、もう60過ぎたお爺さんだぞ。みんな。
Black and Blueが出たのが多分1975年くらいだから、俺にとっては30年ぶりの大傑作。


何が違うって、出だしの"Rough Justice"から、これはどのアルバムにも1曲は入ってるストーンズ王道タイプのナンバーなんだけど、同じようなタイプの曲は過去10年でも"You Got Me Rocking"とか"I Go Wild"とかあったが、そこら辺とはドライブが違う、グルーブが違う。あの、30年前の粘りがある。
"Back of My Hand"こそ、30年前の蔵出しですと言われても気づかないくらい黒い音になってるけど、それ以外は、あの粘っこさを持ちながらも同時に2005年モードのストーンズサウンド(なんだか頭の悪い評論家が書きそうな表現だが)になってる。



60を過ぎてこんなに凄い、そして元気なロックが出来るのか。MickとKeithは。
やっぱ人間じゃない。バケモノだ。


ということで、中東旅行中に一番よく聴いてたのは間違いなくA Bigger Bangなわけだ。2ヶ月の旅行中、多分、100回くらいは聴いてる。そんでもって、旅行中に来日ツアーが発表されて、俺的にはまあ夏は欧州だろうからW杯と一緒に見ればええやん、ってくらいに考えてたんだが、3/22と24でドームってことで、東京におるやん。


帰国後からヤフオクをウオッチしながら、アリーナB2を定価(それでも\17,500もする!)落札。
90年の初来日以来、来日した時は一応必ず見るようにしているんだけど、これで今回も見ることになった。5回目の来日だそうで、前回のLicksツアーでの来日時は経済的にバブルな状態にあったこともあり、横浜アリーナ、東京ドーム、武道館、大阪ドームで1回ずつ見てる、ってことはこれまでに7ステージ見てるのか。今回で8回目。これは多分、同一バンドの最多ライブ参加回数だな。


久々に(多分、前回のストーンズ以来)、東京ドームへ。
新譜メインでやってくれないかなー、と淡い期待を抱きつつも、現実的には2〜3曲だよなあ。
それにしても返す返すも若い。もうあの人達は死なないんじゃないかって気さえするよ。特にKeithはww
Paulは、見る度に確実にお爺ちゃんになって行ってる(もう口元とか、垂れてきて完全にお爺ちゃん)けど、どういう訳か、ストーンズは変わらねえんだよなあ。まあ、Mickは元々顔がシワっぽいってのもあるがwwww


・ツアーグッズ、Tシャツ\4,000。パンフ\3,000。東京ドーム公演限定のTシャツはちょっと欲しかったが、高杉。
・オープニングはなんと、掟破りのJumpin' Jack Flashでビックリ。これまでに見たストーンズのライブでは全部オーラスのお約束だと思ってたんだが。ただこれで盛り上がらないハズがない。
・JJFの後のMickの最初の言葉は「ジュッタイロクー、スゴイー」(WBC優勝の件)
・ス、ス、ス、Swayかよ!これをライブで聴ける日が来るなんて。腰が抜けそうになった。
・Keithは来るたびにマジメにギターを弾かなくなってる。もうちょっと仕事しろ。
・Start Me Up以降はもう完全にお約束モードなんだが、それでも盛り上がる。アゲまくり。
・とにかくMick Jaggerは凄い。本当にプロのパフォーマー、エンターテイナーだ。絶対に客を楽しませてくれる。始終ステージを動き回って、端から端まで100mはあるんじゃないかという距離を走りながら唄う。Keithコーナーの2曲分は裏で休めるとはいえ、あれは60過ぎの爺さんの仕事じゃないぜ。いや、勿論普段から凄いトレーニングをしてるんだろうけど。
・俺が会場で目撃したロック村の住人は、内田裕也、シーナと鮎川さん。裕也は最後のSatisfactionでノリノリのゴキゲンで帰ったらしい。男闘呼組がいたかどうかは不明www


帰り道に考えてたんだけど、あのバケモノのようなバンドもあと5年は続いても、10年は続かんだろうな。そうなると王位を継ぐものは誰なんだ?
どう考えても該当者ナシだよな。マンチェスターの兄弟が復活してアメリカでバカ売れしたら話は別なんだけど。





本日のSet List

Jumpin' Jack Flash
Let's Spend The Night Together
She's So Cold (本邦初ライブ?)
Oh No Not You Again (新譜)
Sway (本邦初ライブ)
As Tears Go By
Tumblin' Dice
Rain Fall Down (新譜)
Night Time Is The Right Time (カバー)
This Place Is Empthy (新譜)
Happy
Miss You
Rough Justice (新譜)
Get off My Cloud (本邦初ライブ?)
Honky Tonk Woman
Sympathy For the Devil
Paint It Black
Start Me Up
Brown Sugar
(アンコール)
You Can't Always Get What You Want
Satisfaction