日本代表 vs パラグアイ代表 @ 埼玉

スタメンで驚いたのが、中盤に山瀬、遠藤、憲剛、俊輔、鈴木啓太を並べて1トップだったこと。
いやはや。
前任監督は「エレガントは危険だ」と言ったが、これは明らかにエレガントな選手を並べすぎるのは危険である、という意味で言った筈で。
しかし、その前任者は危険を承知でアジア杯では俊輔、遠藤、憲剛という3人のエレガントな選手を並べてその心意気を示したが。
今日はエレガントな選手が4人である。
いやはや。


元来、日本の厚い中盤を生かすために、1トップにして中盤を増やすという発想はあったが、実際にモノになった例は殆どなく。唯一の例外と言えるのがトルシエが得意にしていた、試合途中からヒデを中盤からセカンドストライカーの位置に上げて使っていた時期くらい。最終ラインの数は3なのか4なのかという論争が華やかだが、どういう訳かFWの数は2で固定されたまま。


最近の世界のトレンドとしては、1トップと言えば、だいたいその両脇に飛びっきりのウインガー(しかも得点力もある)を置いて、実質3トップに近い陣形を組むんだが、だがしかし、日本にはいわゆるパッサー型の選手の宝庫ではあるが、ウインガーは絶対的に不足している訳で。
そんな中で、この4人を並べて機能するんだろうか?と、スタメン発表の時点では懐疑的だった俺。



そんなこんなで、登録通りの並びなら4-5-1だが、当然ながらそんなに単純な話でもなく。
試合開始後から並びを観察していると、山瀬がセカンドストライカー的な位置に入って、その下に左から遠藤、憲剛、俊輔。底に1人で鈴木啓太
最終ラインは4枚ながら、左の長友の位置は終始高い。残りの3人は長友とバランスを取りながら並ぶ、という感じ。


で。
これが俺の予想を大きく裏切って、恐ろしくボールが回る。元々ボールが回るチームではあるが、普段の2割、3割増しくらいで回ってたんじゃなかろうか。中盤の狭い所でも、タテ方向のショートパスが気持ちいいくらいに入り、思わず「黄金の中盤」なんていう言葉も思い出してしまう程。そこに時折、闘莉王が真ん中からスルスルと上がっていくので、中盤からの前向きの推進力は極めて強い。


こ、これは。もしかして圧勝?? とはいかないのがやはり日本代表。中盤では完全に圧倒したんだが、あれは何なんだろう。
結局、崩し切れていないということなんだろうが、やはりボックスの外縁までしかボールを運べない。あれだけ面白いようにボールを回して、向こうのディフェンスを振り回したつもりではあっても、ラスト10mを突破できず。
ボックス内でのシュートと言えば、セットプレイやクロス、センタリングに反応してヘディングシュート、というのはあったと思うが、まともに地上戦で前を向いてのシュートは皆無だったんじゃないだろうか。


外側から前を向いてミドルというのは何本かあって、しかし実際にはこれが一番入りそうだったものの、ゴールには至らず。いくら相手がパラグアイだとは言っても、恐らく1.5軍のような編成だったと思うんだが、それでもボックス内でゴールを向けないというのは、やはり崩せていないということなんだろう。
それでも前半終わった時点では、このまま普通にやれば2点くらいは入るだろうと考えてたが、甘かった。後半から目に見えて連動性が低下。先週のコートジボワール戦が最初の20分だけだった事を考えると、25分ほど長かったことにはなるが。。。


見ながら思ったのは、いっそ
・ボックス内でのシュートは、セットからのヘディングだけ。足でのシュートは禁止。
・足でのシュートは、ボックス外からのものに限る
みたいなルールを作って、とにかく徹底して中盤からのミドルに活路を見い出す方がいいんじゃなかろうか、などと考えてしまった。
いや、もう、ホント、日本病ですな。これは。


以下、非常に興味深いパラグアイ監督の試合後コメント
http://s03.megalodon.jp/2008-0528-0010-00/sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200805/at00017382.html