仕事中に携帯が鳴って。
見知らぬ番号が表示されてるのに気づきながらも反射的に出てしまい、
「しまった!どっかの飲み屋の姉ちゃんか?!」
と思ったが、もう受けるしかない。
「ハイ、もしもし」(とりあえずこっちから名乗るのは止めとこう)
「もしもし?」(げ、やっぱり女の声)
「ハイ、もしもし?」
「あのー、N森ですけどー」(ええ?! N森?)
「えええ?!」
「さっき電話した?」(ええ?!ということはN森の奥さん!)
「おおおおお、なにいいいい。確かに。さっき間違えて押した」
「やっぱり。いま会社?」
「おおお、会社」(まだ驚いている)
「仕事中?」
「おおお、仕事中」(しつこく驚いている)
「さっき電話した?」(おお、それで架かってきたのか! しかしどこから?)
「ああ、ちょっと間違って押して、すぐに切ったんだけど。いま、どこから?」
「びっくりしたあ」
「いや、俺もびっくりで。この番号、生きてるんだ」
「生きてるよ〜。しかも今、日本なのよ〜」
「へ?」
「夏休みで帰ってきてて〜」
「ああ、そういう時期なんだ。おやじは?」
「おやじは、アッチで仕事中」
「じゃあ、子供だけ連れてきてるんだ」
「そう。それで、私さっき福岡の天神にいてさあ」
「はあ」
「ちょうどその時間に電話かかってきてたから、私、てっきり見られてたんだと思って〜」
「いや、そんなハズはないけど。すげー偶然だな。たまたま間違えて押しちゃっただけだぞ」
「ムスメも『また仕事辞めてぶらぶらしてる所で観たんじゃないの』って言ってたんだけど」(そう思われてるのか。。。)
「いや、そんなことはない!」
「ちゃんと働いてるんだ?」
「働いてるよ〜」(働いてるのかな?)
「そうなんだ〜」
「まあ、でも、またちょっと遊びに行くからさ〜」
「おいでよ〜。待ってるから〜」
みたいな感じなのであった。
いや、確かに今日携帯使う時に間違えて、たまたま前にN森が帰ってきたときに登録しておいた番号を押してしまったのは事実なんだけど。
アレが生きてて、しかもたまたま日本でつながるとは、何たる偶然。