Barcelona vs AC Milan @ Camp Nou, Barcelona

gowest_lookeast2012-04-03

土曜のメンツに、PuyolとXaviが復帰は当然。意外だったのはAlexisではなく、Cuencaを使ってきた。


もう1つ、こっちの方がさらに意外だったのがなんと3バックで来たこと。アウェイゴールを許さないという観点から3バックなんて夢にも思わなかったのに。左からPuyol、Pique、Mascheranoの並び。


Alvesの位置はやや絞り目のほぼ右ウィング。反対の左にCuencaが張って、MessiとCescはいつものゼロトップモードで終始ふらふら。そしてこれもいつものようにどっちかというとCescが前めにいたような気はするが、いずれにしても最後の局面まで最前線には入らない。


Busquets、Xavi、Iniestaが真ん中を支配。と、ここまで書いて気が付いたがGKは当然VVだから、スタメン11人のうち9人がカンテラーノ。非カンテラはMascheranoとAlvesの2人だけ。まあここは替えがいないね。どう考えても。しかしそれでもスゲーな。


まあそれはそれとして、最後の局面がちょっと決まらなかった。Cescがちょっとブレーキだったような。あとCuencaを使えなかったね。
最初のPKは貰うべくして貰ったとは言え、2つめはちょっとMilanには気の毒。Busquetsの貰い方も良かったし、何よりも主審の目の前でやらかしたNestaのミスではあるものの、イエローだけ出してCK蹴り直しが妥当だったんじゃないか。アレが無くて1-1で折り返しだったら後半は相当スリリングなゲームになったと思うんだけどなー。


Milanは明らかにBarca慣れしてたよね。取りどころを決めて、取ったら手数をかけずに前に。当然Barcaの7人(3バック以外の7人ね)は光速で寄せてくるから、時間(=スペース)が無い中で、どれだけ正確なテクニックを駆使して最終ラインまで持っていくか、という話。(Milanである程度の時間をキープできるのはIbraとSeedolfの2人。Robinhoはほぼ何も出来てなかったな。)


Milanの戦い方を観て思ったんだけど、ぶっちゃけBarcaから点を取るにはBarcaの最終ラインと勝負するまでにいかにその前のプレスを跳ね返して早く前まで持っていくかというところがテーマなんだ。
とにかくそこまで持っていって3バックなり4バックなりとの最後の勝負はFW陣の力頼み。RonaldoとかIbraクラスを持ってるMadridやMilan(あるいはRooneyRVP、Drogbaでも)は、そこまで持って行けば勝負になる可能性はある。そこまで持っていくのが大変だし、仮に持って行っても最終ラインで潰されることが大半なんだが。


Milanのゴールはそれに近い感じだった、マークが甘かったIbraが左でキープしつつ、長いクロス。背走するラインの奥にいたNocerinoが見事に決めた。しかしこれが唯一と形になったと言っていいくらい。(1-1に追いついた時のVIPゾーンのMilan側ゲストの喜び方は尋常じゃなかったなw)


強いチームに対しては常にそうだが、Barca相手に点を取るにはとにかくラインを背走させること。要するにいい位置でボールを奪ってカウンター。これしかない。
この形を90分で何回作れるか、そのうち何回シュートまで持っていけて、何回ワクに飛ばして、何回ゴールできるか、という作業。


Barcaが先制した時点で、Milanは2点必要になったんだけど、2点取るまでの力はなかった。
ただ、それは結果論でもあって、Barcaからすると2-1で折り返したものの、2-2だと敗退が決まるアウェイゴールの恐怖と戦うはずが、3点目Iniestaのゴールが後半早めの時間に決まってラクになった。
Messiの2つめのPKが決まった直後、Barcaは4バックにチェンジ。Alvesを戻して、空いた右ウィングにCuenca配置。
最後は精彩を欠いたCescに換えてKeitaで逃げ切り。というか1失点ならOKな局面だったし、かつやられそうな気配はほとんど無かったけど。



3-1となった後半22分、ちょっと感動的なことが。ゴール裏中心に場内から"Abidal"コール。22分なんだよ。


病み上がりPatoはぜんぜんダメだったんだろうな。70分に出てきて、10分くらいで再交替。
最後に替わりに出てきたのはMaxi。ちょっと拍手。俺も忘れてないよー。あのChelsea戦の気持ちの入ったゴールは。今日は見せ場ナシ。


最後に。
Mascheranoは相変わらずの安定感。このヒト、前向いて1対1で対人守備やらせたら世界一上手いんじゃなかろうか。
ほとんど負けないというか、あっという間にボール奪うね。昔、稲本の対人は上手いなあと思ってたけど、あの1000倍くらい上手い。ピンチの芽を摘んで摘んで摘みまくる。
あの守備見るだけでもBarcaの試合にお金払う価値ある。マジで。
展開力もあるし、個人的にはやっぱ底でやらせたいんだけどなあ。Pepは使わないんだよなあ。まあ、DFの枚数が足りないからMascheranoがここをこなしてるというのは物凄く助かってるのは事実だが。
Abidalの不在が決まってるから、Puyolがほぼ左固定とすると、恐らく今季も最後までMascheranoスタメンで行くでしょう。



あとStatsを見る度に思うが、「Barcaのサッカーは選手は走らずに、ボールを走らせる」という言説はやっぱ明らかに間違い。StatsでのDistanceはどこが相手でもたいてい上回ってる。つまりBarcaはボールを走らせると同時に、ボールを受けるために走り続けている。
冷静に考えると、ゼロトップシステムがそれを象徴してるのではないかと。少なくとも3バック以外は、自陣バイタルから敵陣ボックス内までをくまなくカバーしてるとも言い得るし。



準決勝の相手は恐らくChelsea。DrogbaとTorresがいることはいるけど。正直、相手にならないと思う。この2人にまともなボールは届かない。


理由:Chelseaは今のBarcaとほぼ初対戦だが、パワー全開のBarcaに初対戦で勝てるチームはこの世に存在しない。
なぜならBarcaのプレス強度も、自分達がかけるプレス強度も全く手探り。Barcaに対してはどんなチームも2回、3回ボロ負けで体感しながら攻略の糸口を掴むしかない。
CWC決勝@新横浜のSantosはモロにそれが出たし、昨季決勝のMan Unitedもそれに近かったかも。対戦歴が無いと、何がなにやらわからないうちに「サッカーのレッスンをしてもらった」的な試合になりがち。恐らくビデオを100回観ても、ピッチで1試合体感するとのは雲泥の差がある。


かつこのラウンドではBarca相手に2試合180分のミッションを成功させる必要がある。90分一発じゃなくて。これは至難のワザ。
つまり決勝がクラシコになった場合、相手が未対戦のBayernならほぼ楽勝だが、Real Madridなら負ける可能性は30%くらいあると予想。