アララット山

gowest_lookeast2005-08-22

朝の5時過ぎにタブリーズ(イラン西部の街)の駅に放り出された。


着くのは早くて7時、まあ普通に8時だろうと思ってて、タブリーズの街をウロウロしてからマークー(トルコとの国境の町)まで移動して、そこで一泊してから国境を越えようと考えてたのだけど、朝の5時だとまだ真っ暗で、これから街が動き出すまで時間を潰すのもかなりツライなあ、思い、とりあえずバスターミナルに行ってみたら、6:30のマークー行がある(英語が通じないながら親切だったイラン人のお兄さんアリガトウ!)ということで、一気にマークーまで行くことに。


夜行列車(晩メシが出たんですけどね。やっぱりケバブとバターライスでしたよ。ええ。)とはいえ、例によってあまり眠れなかったので車中でウトウトしながらも、マークーに着く直前に様子を見ながら考えて、マークーは何もないただの国境の町だし、トルコに入っちゃえば時差の関係で1時間半も時計が戻るということで、一気に国境を越えることにした。
サマータイムとは言え、イランと日本の時差は4時間半。トルコは6時間。6時間となるともうほとんどヨーロッパだ。というか、欧州中央時間とは1時間しか違わない!)


マークーのターミナル(つうか、ただの道路脇に停まっただけのような気もするが)について、国境まで行くタクを探そうとしたら、タダで乗っけてやるというお兄さんがいて、親切なトルコ人のお兄さん、アリガトウ!!


マークーに着いたのが10:30。
イランの出国手続きをして、トルコ入国ということなんだけど、トルコのイミグレに向かうう途中、入国手続き待ちの人々(主にトラックの運ちゃん)が待つ場所があったんだけど、これがスゴかった。
幅15mくらいの鉄格子の門が2つ、平行に並んでて、2つの門の間の幅はたったの1m程度。
門は両方とも閉じられてて、ほとんど牢屋のような狭い空間に30人くらいのおっさんが閉じ込められてるような状態。
見たときはギョッとしたのだけど、俺もそこを通らないとトルコのイミグレに進めないので、手前のゲートを少しだけ開けて貰って、牢屋の中に入る。


ぐへー。こんなところで順番待ちかよ。それにしても今まで色んな所で陸路国境を越えてきたけど、こんなヒドイ扱いを受けるのは初めてだ。


ただ、この牢屋の中の運ちゃん達がヒジョーに良い人々で、トルコ側に向かって「おい!旅行者が着てるから、早く通してやれよ!」みたいなことを叫んで、結局俺は牢屋の中で誰よりも早く出獄できた。


ということで、何とか無事にトルコ入国。
時計が戻って、再び10:30。


これまで旅してきて、テヘランまでは基本的にずっと砂漠だったのだけど、テヘランから西は砂漠というよりも平原という感じで、青々とした緑とまでは言わないにしても、ずっと草地があって、なんだか日本の高原地帯の景色に通じるものがある。


で。イランとトルコ(とアルメニア)の国境には、あの、アララット山があるのだ。
俺はアララット山というのは想像上の山、あるいはどの山に相当するのか確認されてない類の山なのだろうと勝手に思い込んでたのだけど、10年くらい前に実在する山だと知って、ちょっと驚いた。
とにかくアララット山、非常に立派というか富士山のように1つだけ「どおおおおん」とそびえ立つ山(標高は5000m以上ある)なので、むちゃくちゃ見栄えがする。


翌日、アララット山に登るというヨーロピアンに会って、「頂上まで?」と聞くと「もちろん。一緒に行かないか?」と言うんだが、いくらなんでもそりゃムリやぞ。
装備も何もあったもんじゃない(マトモな装備無しで山に登るのは相当キツイというのはネパールで体験済み)し、そもそもここからでもまだ3500mくらい登ることになるじゃん!!!