9条どうでしょう

「9条どうでしょう」 内田樹小田嶋隆平川克美町山智浩
一部で話題(になってるんだろうと思ってる)の本。
20年来のファンである小田嶋隆が書いていることと、高橋源一郎が何かの書評だかエッセイだかで、驚きの感想を述べていたので読む気になった。
ということで読んでみた。しかも、2回も。これだけ短期間に2回続けて同じ本を読むというのは俺にとっては稀有なこと。ま、ヒマだからできることではあるが。。。


で、一言で言うと、目からウロコ本である。


俺は元々消極的改憲賛成派であって、どういうことかというと、基本的には9条には好意を持っている。しかし現実には自衛隊というのが存在しているわけで、これはどうなんだ、と。ソリューションとしては自衛隊を廃止するよりも、改憲することを選択するのが現実的であろう、というだけの話なのだけれども、この本は見事にその問題点の存在を覆してくれた。


それぞれの論者の主張、ロジックの細かい部分については「それは違うんじゃないの」と思う点も多少ないではないが、偶然なのかどうなのか、4者の主張の底流に共通して存在する「9条と自衛隊は矛盾しない」という論拠については茫然自失、というか何でこんな事に俺は気付かなかったんだあ、と相当な衝撃を受けた。なるほど、憲法ってそういうものだったのね。


ということで、今後を持って俺は憲法擁護派に転向することにする。


そもそも、いわゆる「普通の国になりたい。それには憲法改正だ」という言説については、俺は違和感アリアリだったのだ。
どうも日本人は日本が特別な国だと思いたがる傾向があるように思えるんだけど、日本って普通の国じゃん。というか、日本程度に普通じゃない国は、普通にどこにでもあるじゃん。中国は中国なりに普通じゃないし、シリアはシリアなりに普通じゃないし、フランスはフランスなりに普通じゃない。まあ、イスラエルは明らかに普通の国ではない、と思うけど。。。