Netherlands vs Japan @ Moses Mabhida Stadium, Durban

凄い夢を見た。
仕事でどうしても一度帰らなければならなくなってしまい、俺は夜遅い新宿にいるんだけど、終電に遅れそうで、これを逃すとDenmark戦のための成田からのフライトに間に合わず、ほとんど半狂乱になる夢。


夢から醒めて、急いで朝食を摂って、9:00過ぎのMetrorailでダウンタウンへ。
昨日と同じBereaで降りて、ダウンタウンを歩く。明るいので道が判る。といってもDuban2回目のM任せだけど。
やっぱインドだよ。ここは。インドの薫りが濃厚にする。
チンタラ歩いてMoses Mabhidaへ向かう。軽く1時間は歩いて到着。おお。オレンジな人々が。そして青い人々も思ったより多い。
13:30からの試合で、今回持参した2006モデルの青の半袖(Mに作ってもらった300バーツのやつ)1枚で全然OK。
EmiratesのブースのPKゲームとかで遊んで時間を潰してから、スタンドへ。今日は初のメインスタンドだったのだけど、バックの向こうに海が見える。いいスタジアムだなあ。これで勝てばサイコーだよな。いや、相手を考えるとポイント取れれば御の字だけどさ。


けど、つくづく思ったのは、初戦で勝てばこんなに余裕なんだ、ってこと。
理屈の上で判るのと、実際に勝ってみて2戦目を迎えるのとはやっぱり全然違う。4チームでの総当りGLでの初戦というのはかくも大事なんだ。仮に今回、Knock Out Stageに進めなかったとしても、この経験は凄く後に残るものになるだろう。そうやって色んな経験をしながら少しずつ強くなっていくんだ。きっと。


で、試合だが、難しい試合だった。
ある意味、日本は成功しかけた。0-0で折り返した時点で、Netherlandsは相当フラストレーションを溜めていたに違いない。けど流石にというべきなんだろうか。ワンチャンスを決められた。まるでフランスでの初出場の時にBatistutaに決められたみたいに。あれは川島を責めるのは酷だろう。何度も好セーブを見せていたわけだし。
Cameroon戦では半分近く取れていたと思われるポゼッションも今日は1/3程度。当然ながらその分、攻めることができなかった。松井&大久保は好調ながら本田が好調とは言えなかったのと、これは悲しいことなんだけど、途中で出てきた俊輔のところが厳しかった。俊輔のところで2〜3回はボールを失った。FKのチャンスがあれば蹴らせてやりたかったんだけど。
ただ、展開にもよるが俊輔はこの先、使いにくくなったかも。


それから岡田の采配だけども、采配自体は悪くなかったと思う。最後の玉田&岡崎投入も、なんとしても追いついて1ポイント取るという方に賭けたんだろう。Mは、「ああ、もうこれ以上失点するのが怖いよ」と言っていたが、残り10分の時点で失点する可能性と、攻撃陣を投入して守備ではリスクを負う代わりに同点に賭ける、というバクチは天秤にかけても無茶なものではなかったと俺は思う。
結果的にゴールは奪えなかったけれど、追加点を奪われることもなかった。そういう意味で、玉田&岡崎の投入は結果的には実らなかったけれど、それで負けたかというと決してそうではない。イーブンか、あるいはリスクを負ってポイントを取りに言った点は、評価できる。
唯一、言うとすれば、石川か香川を連れてきていればなあ、と。今日の展開だと松井&大久保の代わりに出てくる人間がいないんだよな。本田の1トップ = 事実上の0トップ = 4-6-0 で行くことに決めた以上、FWが無駄に多すぎる。ゴールを奪う上での4-6-0の根幹となる、前にボールを持って行けるMFは逆に少なすぎるのだ。まあ、玉田と岡崎はMF的な使われ方をしてはいるけれど、玉田はともかく、やはり本職がいればなあと。
つくづく思うのは、今のところアジアの戦いと、世界に出てからの戦いがリンクしないというのが、日本に限らずアジア列強の最大の問題点なんだろう。
日本はポゼッションを取れる。だからポゼッション重視のサッカーをする。アジアでは。ただ世界に出るとどんなに良くても50%、世界のトップ10と当たると33%になる。それで同じやり方をしても勝てるのか、という話。
で結局、岡田は諦めたんだよな。ポゼッション重視で戦うのを。アジアの多くの国が日本に対してそうするように、堅守速攻だと。それはそれでいいんだけど、決断するのが遅すぎた。韓国戦以降、EnglandとCote D'Ivoireに負けてから決断したんだろうが、いくらなんでも遅すぎた。それまでマトモな相手と試合を組んでいなかったというのは同情するべき点ではあるけれど。
いずれにしても、ベンチ内で使えないメンバーが多すぎるのだ。名指しで書くと、内田、俊輔、矢野あたり。(矢野は最後には最終ラインで使える、などと寝惚けたことをいう奴もいるが、バカもいい加減にしろ。最終ラインで使う選手は本職をつかえばいいじゃないか。慣れない最終ラインでのディフェンスなんかやらせても、機能する可能性は極めて低い)


まあとにかく、日本は負けたわけだ。ああ。
「0.1ポイントでもいいからくんねえかな」と言ったらMに大笑いされた。正直、スタジアム内に掲げてあった国旗の数なら、勝ってたんだけどな。日本が。


試合の後、Fan Festまで歩いて、Ghana vs Australiaを見る。やっぱり会場の多くはGhanaを応援。
俺はJoshの絡みもあって、Australiaを応援したけれど、1-1で終了。これでAustraliaは苦しくなった。初戦の4-0負けが響いて、最後のSerbia戦に大差で勝つのが最低条件。


ダウンタウンのファストフードでメシ食って、タクで宿に戻って、日本の運命に大きく関わる。Cameroon vs Denmark。
Netherlandsは今日で6ポイントなんで、この試合がドローなら勝ち抜け決定。俺らもドローが一番嬉しい結果なんだっけ、という試合。同じ宿のDutchと一緒に見る。
Cameroonが江藤の美しいゴールで先制した後、Bendtnerのこれまた美しいゴールで同点。喜ぶ日蘭両国民。


しかしDenmarkが逆転。


ここで気がついた。実は2-1でDenmarkなら、OKじゃね?
だって、Cameroonは完全脱落。俺らとDenmarkの一騎討ち。しかししかし、俺らの得失点差が±0なのに対して、DenmarkはNetherlandsに2-0で負けたので、-1。ということはドローの4ポイントで並んでも、得失点差で勝ち抜け。
仮にこの試合ドローで1ポイントずつだとしても、次のDenmark戦でドロー以上が必要で、負けるとアウト、という条件は変わんないんだよな。
ただ、この試合3-1でDenmarkだと、次がドローだとして得失点差で並ぶけどゴール数で負けるので、その場合はドローではアウト。勝利が条件になる。
ということをMと2人で暗算しながら、「そうだよな?」と確認。そうだよね。


ここで、Dutchも2-1でDenmarkなら勝ち抜け決定だと気がついて、日蘭両国民「そのまま、そのまま」モードに突入。
はたして、2-1で終了。これで最終戦は明確な条件が設定された。はからずも、今日の0-1負けは結果的に0.1ポイントを貰ったようなものになったのだ。おお。
引き分けなら4ポイントでDenmarkと並ぶが、得失点差で上回ってKnock Out Round進出決定。負けならサヨウナラ、になる。シビれるぜ。というか、俺、死んじゃうかも。


これでCameroonは完全に脱落。江藤は泣いていたのか、顔を拭う仕草。アフリカの大会ということで期する所があったんだろうけど、いずれにしてもアフリカ勢は厳しい。NigeriaもSAもほぼアウト。Cote D'Ivoireは相手(Brazil、Portugal)を考えると相当微妙。唯一の希望と言って良さそうなのは、Ghanaくらいだ。