衝撃の襲撃

gowest_lookeast2011-07-03

日曜の昼前。人通りの無い旧市街。
通りの先に港の突端が見えたので、「あそこまで行こう」とてくてく歩いてると、15〜16歳前後と思しきガキに襲われた。


最初はありがちに「お腹すいたからお金くれ」とか言われて、アホか、と思いつつ"No"と言ってたら、襲ってきた。
マジかよ。こいつら。


1人に後ろから組み付かれて、くそ、と思いながら肘うちで応戦しようとしたが、体勢が悪いのと、リュックを背負ってるのもあって、当たらねえ。
そのうちこいつがリュックを背中から抜いて奪おうとしたので(中は安いウォークマンと安いデジカメ、あとはガイドブックくらいで、奪われて本当に困るものはなかったが)、抵抗して揉みあううちに、もう1人にケリを入れられた。
側頭部。こめかみと耳の間あたり。


「いってえー」と、同時に「これはマズい」と思ったところに車が通りがかってクラクション。
これでガキ2人が逃げ出した。追う気力なんてナシ。
歩きで通りがかったおじさんが「大丈夫か?」みたいな感じで寄ってきた。
大したことは無いが、襲われたという事実に対する精神的ダメージ大。
おじさん、「警察に行こう」というので付いて行く。


盗られたものはナシ。後ろのガキからジーンズの前ポケットに手を突っ込まれた感触は覚えているが、そこにはコインしか入れてなかったので、やられてても10ペソとかそんなもん。
警察署は歩いてすぐの所。
知ってる限りのスペイン語の単語と身振り手振りでコミュニケーション。
場所、時間、人数、年齢、服装とか、何を盗られたとか、そんなの。
(前からケリを入れたガキが白いフードジャケットだったのは覚えていたが、後ろから来たガキの方は覚えてない。そもそもほとんど対面してない)


で、パスポート出して、泊まってるホテル教えて、色々と調書を取られること数分。
さっそくガキ共が連行されてきたが、これがよくワカラン。遠くからだったのと、一瞬しか見えないんだもん。
「あいつらか?」
とお巡りさんに聞かれるんだが、そう見えるとも見えないとも言えないがな。これは。


で、しばらくして解放されそうになって、パトカーに乗れと言われたので、ホテルまで送ってくれるのかと思いきや、病院に連れて行かれた。きっと頭が痛いと言ったからだ。実際、結構効いてた。
そんで偶然ながら襲撃現場そばの病院で待つこと15分くらいかしらん。診て貰うなら、あの女医さんがいいなあ、と思ってた女医さんに診て貰った。
ここでも最低限の単語による簡単な問診と、眼だの、口内だのを診て、上半身を聴診器および触診。どうやら大丈夫、らしい。
ちょっとして、英語の判るお兄さんの医者がやってきて、英語で問診。
で、一番気にされたのが「意識はずっとあるのか?」てことで、「ある」と答えると、じゃあ大丈夫だろう、とのこと。要するにコブが出来た状態なんだと思われ。


一旦警察署に戻ると、ガキは自供したと。俺は、解放。
(俺のいい加減なスペイン語だけであっという間にひっぱられた所を見ると、常習犯なんだろうな)


送ってくれるのかと思いきや、それはなし。徒歩で戻って、いい加減空腹だったので軟弱にもバーキンに入ってしまう。ワッパーセット(175ペソ)を食って、部屋に戻って、なんとなく昼寝。ちょっと出る気にならんよな。
あのガキ共も当然は悪い。そしてこういう言い方は自虐することで自分を納得させているみたいで好きではないが、日曜の人気のない旧市街をのんきに歩いていた俺も悪い。
ただこうやって被害者になってぼんやりと、社会の安定というのは大事なことなんだ、などと考えてしまった。社会が安定してて不満の少ない生活があれば、こんな事件は劇的に減る筈。一番手っ取り早いのは富の再配分な訳だが、我々の生きる社会ではそれが難しいんだよな。一番。とか思ったりした。


夜は新市街の方に行って晩飯。暗いけど、まあ、こっちはなんとか。



P.S.
笑えるのが、警察で調書みたいのをとる時にパスポートを出したんだけど、
英語と日本語でしか書いてないので、どっちが名前でどっちが姓なのかワカランと。
仕方がないので、
名を指差して"Diego"
姓を指差して"Forlan"
と言ったら、判ったらしいwww