Catch Flame !

ヨーロッパから戻ってきてからまとめて聴いた新譜


"3121" Prince
久々に大々的にメジャーと契約しての新譜。
さすがにお金がかかってて、ヨーロッパでも驚くくらい宣伝していたものの、内容には若干の不安を感じていたんだけども、さすがにPrince。天才は今でも天才。
ワーナーとの決別後もコンスタントに自分のレーベルでアルバムを出して、その時もずっと凄いアルバムを出してたんだけど、今回も「あの頃のPrince」が随所に散りばめられてて、もーたまらんがなこれ。

メイシオのサックスはぶいんぶいんに唸ってるし、必ず入ってるクサクサのバラードもあるし、間違いなくこれはプリンスのロック。大きな新機軸は見えないけど、Princeは、これでいいのだ。
来日してくれよな。マジで。



"Whatever People Say I Am, That's What I'm Not" Arctic Monkeys
噂の新人、Arctic Monkeys。ロンドンにいても露出は多くて、実際どうなのよと思っていたのだが。
音はリバイバル。いつかどこかで聴いた、こんなあんなロック。いい曲なんだけど、破格の新人かというと、うーん、どうなんだ。ライブで見てみたい気はする。ただ俺は、Hard-Fiの方が好き。
それでも今のうちに言っておくが、アメリカで売れるとすると、それはHard-FiよりもArctic Monkeysだろう。アメリカで受けそうな音ではある。



"Stadium Arcadium" Red Hot Chili Peppers
アメリカのバンドとしては、Foo Fightersと並んで世界中で売れまくっているであろうバンドになってしまったんだが、これは一応、カリフォルニア3部作の最終章ということになるんだろうか。
2枚組でトータル100分強の大作。
俺は大作2枚組というのが大好きなんだけど、StonesのBigger Bang発表後のインタビューでKeithが、
「本当は2枚組にしたくて、曲もかなりレコーディングしたんだけど、Virginから『頼むから2枚組は止めてくれ』と言われたんだ。確かに今どき120分の大作を聴くようなリスナーはいない事を考えると会社が言うのも判るんで、まとめたんだけど」
という事を言ってて、俺には何だかよく判らない理由なんだが、2枚組というのはレコード会社からすると、あまり出したくないものらしい。
で、この新作なんだが、ドン底の状態からのヤケクソ一発大逆転アルバムになった"Californication"と"By the Way"に較べると、どうにも底が浅いというか、もう一押し足りないというか。
要するにきれいにまとまりすぎなのだ。ヤケっぱちのパワーが見事に転化した前2作の反動なのか。それともバカみたいに支持されてしまった故に、無難な路線に走ったのか。
いっそのこと、昔みたいな変態ファンク路線に戻してもいいと思うんだけど、とにかくレッチリはこんなんじゃないだろう。ヘタすると、Arctic Monkeysのアルバムに入っててもおかしくないようなナンバーもあったして。
実は次作あたりで結構苦労しそうな気がする。

話はそれるが、俺はレッチリの"Live in Hyde Park"が大好きで、1曲目のベースぶいんぶいんイントロから2曲目の"Can't Stop"のギターリフに繋がる部分で、客の歓喜の声が重なる所は、本当に泣きそうになってしまう。



"ファンクラブ" アジアン・カンフー・ジェネレーション
ギターは相変わらずブンブン鳴ってるけど、全体的に落ち着いた感じになった。曲もイマイチ。過渡期に突入???
多分、前作はこれからも何度でも聴くと思うけど、これを何度も聴くことはないと思う。





で、今日ROを立ち読みしていて知ったのだけど、去年の12月にロンドンで観たPaul Wellerのギグが、なーんとライブ盤でオフィシャルリリースされる。2枚組みたいなんで、ほぼ完全収録だと思われ。
実は3月4月にロンドンに行った時に、"As Is Now"のSpecial Editionが出てて、何がSpecialなのかと言うと、あの日のライブが3曲くらい入ってたのだけど、「おお、あの日のライブが入ってるんだー!」とは思いつつも、この3曲だけのために13ポンドも出すのもなあ、と思って見送ったんだけど、正解だった。
これまでにかなり色んなライブを観てきたけど、自分が観たライブがオフィシャルリリースされるのは初めてだ。しかもあの日のロンドンのPaul Wellerって、もう家宝として残るぞ。これは。
早くリリースされないかなー♪