青いシャツと”JAPAN”という名前

よく勝った、よく勝った。


正直、デキは悪かったと思う。90分のうち、自分達のサッカーが出来たのは15分くらいじゃなかろうか。
序盤の序盤は完全に日本ペースで、こりゃ普通に勝つわ、と思ったのに、なんだかスローダウンして、つまらないミスから失点。それでも先制されるくらいが面白いやと思ったのも束の間、そこからどうにもシュートまで持っていけなくなる。
QatarはおなじみSebastianと、恐ろしく足の速い12番が日本の守備陣をかき回す。そんなイヤーなフンイキの中で、岡崎が前線で踏ん張って、ループ気味にシュート。枠には飛んだが、威力がなくあわやクリアされそうな所を、先に香川がアタマで押し込んで同点。0.5点は岡崎のゴールだな。あれは。
比較的早い時間帯に追いついたので、やれやれと思ったが、そこからまたペースが掴めず。つまりQatarのペース。


もうちょっと落ち着いてボールを回せる筈なのに、無理な長めのパスが多かったような気がする。
1-1で折り返した後もなかなかペースが変わらない。
そんな中、ボックス外側で吉田がファウル。2枚目で退場。残り30分で10人になって、しかもこのFKを決められ、あれも守り方に問題があったと思うんだが、勝ち越しを許す。


うーん。この状況でこれは相当苦しい。ただでさえ松井が戦線離脱して、攻撃オプションが減ってるし。
しかしこのチーム、こういう試合をモノに出来ればそれは大きなブレイクスルーにもなるんだけどなー。
というところで底力を見せた。


香川の同点ゴールは、いかにも香川というゴール。キレイに裏に抜けてGKとの1対1をしっかり決めた。(後ろにあんなにスペースを空けていたQatarにも問題はあると思う。結果論ではあるが、日本相手に1点リードで残り20分。なんでラインを低めに設定しなかったのか、という批判がQatar内で出るのは間違いない)
しかも10人で苦しい中、最後まで根性みせた。最後まで調子は上がらなかったが、根性みせた。
最後は執念。90分。長谷部の鬼パスを完璧に受けた香川が切り込む。踏ん張って、踏ん張って、倒されながらも、裏でしっかり走っていたサイドバック伊野波がこぼれ球を押し込む。文句のつけようのないゴール。長友同様に、伊野波もめちゃくちゃ疲れてた筈だが、あの時間帯でよくぞあれだけ走ってた。


いや、マジメな話、日本はアジアでは紛うことなきジャイアントチームという事を実感。こういう試合を勝てるのはやはり格が違うから、としか言い様がない。メンバーのキャップは若いが、アジアを何度も制した歴史を持っているチームと、勝ったことのないチームの差。世界で勝ったことのあるチームと、世界で戦ったことさえないチームの差。
ワールドカップに出たことのないチームにとって、青いシャツと"JAPAN"という名前はそれだけで畏怖を感じさせるのだ。アジアの中では。
今日もこういう試合を勝って、間違いなくこのチームは強くなった。(そして、Qatarは、やっぱり日本に勝てなかった。しかも10人の日本に逆転さえされた!)


吉田が使えない次の試合だが、ウッチーがサスペンションから休養十分で帰ってくる。
正直、Qatarとは1段2段レベルが上の相手にはなるが、自分達のサッカーが出来れば勝負に持ち込めるんじゃないかと。うん。