記録用

https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20180412/741814.html


日本サッカー協会(JFA)は12日、都内で日本代表新監督に就任した西野朗氏の記者会見を行った。会見にはJFAの田嶋幸三会長も同席し、新たなコーチングスタッフを発表。手倉森誠コーチら3名が留任し、森保一U−21日本代表監督ら3名が新たにコーチとして加わることが発表された。
西野監督は所信表明で「非常に責任を感じています。この事態の中で精いっぱい、ロシアに向けてチーム作りをしたいという覚悟でおります」とコメント。目指すサッカーとしては「日本化した日本のフットボールというものがあります。その中には、技術力を最大限に生かしたり、戦い方においても規律や、結束して化学反応を起こした上で戦っていく強さがある。そういうものをベースにした上で、構築していく必要があると思います」と説明した。


<日本代表の新コーチングスタッフ> ※は新任
監督:西野朗
コーチ:手倉森誠
コーチ:森保一(U−21日本代表監督)※
GKコーチ:浜野征哉
GKコーチ:下田崇(U−21日本代表GKコーチ)※
コンディショニングコーチ:早川直樹
コンディショニングコーチ:小粥智浩(U−19・16日本代表コンディショニングコーチコーチ)※



登壇者:
田嶋幸三日本サッカー協会 会長)
西野朗(日本代表 監督)


田嶋 このように多くの方に集まっていただき、誠にありがとうございます。サムライブルー、日本代表の新監督として西野朗さん、そして皆さんにお配りしているお手元の資料にあるようにコーチングスタッフのメンバーを、本日の理事会で報告させていただきました。これをあらためて、皆さんにお伝えしたいと思います。
 これから西野監督のもとで日本代表チームがスタートするわけですが、先日もお話した通り、これまで日本サッカー界が蓄積してきた全ての英知を結集して、オールジャパンの精神で、ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表チームをサポートしていきたいと思います。皆さんもぜひ、西野監督を支えていただければと思います。


西野 皆さん、こんにちは。このたび、(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督の後任として日本代表監督を受けることにしました。本来であれば、技術委員長の立場として、日本代表チーム、監督はじめスタッフを支えていくポジションであり、2年前に就任してから精いっぱい、サポートを考えてまいりました。ただ、最終的にロシア(W杯)の直前でこのような状況になって代表監督を引き受けたということで、非常に責任を感じている中ですけれども、この事態の中で精いっぱい、ロシアに向けてチーム作りをしていきたいという覚悟でおります。2年間、現場を離れて、技術委員長という立場で仕事をしてまいりましたので、まずは指導者としての心身を整えて、しっかり選手を見て、日本サッカー界を見て、これからチーム作りをしていきたいと考えております。


――これまでハリルホジッチ前監督が構築しようとしていた「縦に速いサッカー」は引き継ぐのか、それとも違うスタイルを追求していくのか。また、メンバー選考について。これまでの招集歴の有無、最近代表での出場が少なかった岡崎慎司香川真司本田圭佑のような経験豊富な選手の存在をどう考えているのか?


ハリルホジッチ)監督のスタイルというのは、今まで日本のサッカーに足りなかった部分だと思います。1対1の強さを求めたり、縦の攻撃に対する推進力を求めたり。今までのA代表だけでなく、各カテゴリーが世界基準を知った上で、少なからずそういうものが足りないために、次のステージに進めなかった。ハリルホジッチ監督は、自らW杯に参戦した上で、非常に高い世界基準(を知っている)。言葉では「デュエル(球際の競り合い)」や「縦」というシンプルなことですけれど、内容は非常に高度なもので、それを選手たちに強く要求していた。そのスタイルは、現状の日本サッカーにとって、間違いなく必要なことではあると思います。
 縦への攻撃ということに関しても、間違いなく必要ですけれど、そのタイミングや瞬間とか、質を上げた上でそういうものを作り上げていく。1対1の場面でも、パワーや強さは要求したいですが、(日本人は)なかなか体格的、フィジカル的な要素で戦えないところもある。そういうものに関しては別の角度から対応していく。間違いなく必要なことに関しては、継続して考えていきたいと思います。ただ、やはり日本化した日本のフットボールというものがあります。その中には、技術力を最大限に生かしたり、戦い方においても規律や、結束して化学反応を起こした上で戦っていく強さがある。そういうものをベースにした上で、構築していく必要があると思います。
 ただ、この期間で継承していくスタイルの部分と、やはり選手たちにはもっと自分のプレー、パフォーマンス、結果を求めたい。そういうものをまず素直に代表チームで(出してほしい)。代表チームでは、自クラブでのプレー以上のものが出るはずで、それが代表チームだと思います。選手がストレートにプレーできるチームを作っていきたいと思います。チームのスタイルや編成については今日、コーチングスタッフを承認していただいたので、彼らとも協力して編成を考えていきたいと思います。
 選手の選考に関しても、非常に経験のある選手が、ここ(数回の)キャンプで招集されないとか、出場機会が少ないとかありますけれど、やはり現状のコンディションをしっかり把握しなければいけない。海外組の中では、けがをしている選手が6〜8週プレーしていないという状況もあります。確かに非常に経験、実績共にある選手たちですけれども、(ハリルホジッチ前)監督も、現状のコンディションを非常に気にされていました。これからの選考に関しても、ここ1カ月足らずでのコンディション、過去の実績もありますが、ここ1カ月の状態というのを正確に見極めた上で、最高の化学反応が起こるグループを(考えたい)。スタッフの総力を上げて、いいパフォーマンスができる選手選考をしていきたいと思っております。


――2つの立場について質問をしたい。まずは技術委員長として。ハリルホジッチ前監督の解任理由にコミュニケーション不足、監督との信頼関係というのがあった。一番近いポジションから見ていて、何が問題だったと思うか? 次に新監督として。W杯まではあと2カ月しかない。かなり短い期間だが、何が一番大事になってくるか?


 監督のチームに対する要求は、やはり世界基準でした。W杯で世界と戦うにはこういう戦い方をしなければいけないということを強く選手に要求していた。それは重要なことですし、戦術的なところでも、選手1人1人の役割を厳しく要求していた。それはもちろん指導者として当然のことで、それが形にしていくことでチーム力を向上させていく。それは間違いなく必要なことで、それに選手たちが応えてプレーしようとする。監督は非常に高い基準を選手に求めていると感じました。
 監督の意図と選手のやりたいことがあって、そこのギャップを合わせていかなければいけないというのはありますし、その上でのやり取りがあります。自分自身はやはり現状の選手たちの気持ちは監督に伝えていました。日本人選手たちのDNAの中で、やれる部分はもっとある。そういうコミュニケーションも、自分が間に入りながら構築していく。間違いなくチームの中でそれはやっていることでしたが、それが成果として出ない。その辺のギャップが埋められない。選手が追いつこうとしても、要求に応えられないというのは感じました。まだまだ選手たちも、そういうことに応えられる力があると思う。監督はその先にもっと高い要求があったのかもしれませんが。チームとしてバランスよく機能していたかというと、その辺のわずかな差はあったのかなと思います。
 彼らのパフォーマンスが素直に出ていくことがあれば、間違いなく日本のチームは融合して、結束して、プラスアルファの力が出ると思います。とにかく結果を求めたいです。W杯ですから、少なくとも予選は突破した力というのを見せたいと思います。ただ、そこを求めるよりも、今はまず選手が求めるプレーというのを出させたい、表現させたいという気持ちです。そういうスピリットのある選手たちを招集して、チームを編成したいと思います。


――まず、田嶋会長から監督就任の打診を受けたときの心境、決断に至るまでの気持ちやいきさつを教えてほしい。また、残り2カ月で選手たちに素直なプレーを引き出すために、求めたいことは?


 先月末に会長から今回の打診をいただきました。そのときは正直、私自身も間違いなくハリルホジッチ監督を支えていきたいという、今までどおりの気持ちでいっぱいでした。ただ一方で、チーム状況、先ほど話したようなギャップの部分で、いい状況ではなかった(3月の欧州)遠征を踏まえて、私自身はこれから2カ月でどう劇的に変えていくのかと考えていました。今回の決断に対して、自分が要求されたということで、戸惑いはもちろんありました。
 技術委員長としての立場は、精いっぱいやってきたつもりですけれども、足りなかったと痛感しています。監督同様(に解任)ということになると思ってもいました。ただ、そういう英断の中でこういう決断をしてもらって、最後、自分の中でしっかりこの大会で責任を取る、という気持ちを持つまでは、この要請に関しては戸惑いを持っていました。ただ、こういう事態なので、自分がという思いで、引き受けさせていただきました。
(選手に求めたいことについて)自分が選ぶメンバーですから、もちろん信頼をしています。日本代表チームの大きなパフォーマンスを生むための選手だと思っていますし、そういう選手たちに対して、あまり個人のプレーに関しては制限をかけたくないと思っています。自チームでやっている普段のパフォーマンスを評価して選びたい。個人の力だけでなく、日本サッカーの良さ、強さはグループとしての強さだと思っています。連係だったり、連続したプレー、そういったプレーができる選手を選考していきたいと思います。まずは選手たちには良い状態に戻して、(日本が)グループとしてプレーできる、そういう感覚を持ってほしいということを伝えたいと思っています。


――西野監督が監督として理想とするサッカーと、代表で実現したいスタイル、あるいは選手たちに伝えたいスタイルをそれぞれ教えてほしい。


 長い間クラブで指導していましたから、(クラブというのは)ある意味、選手をどう生かしながらチームが成長していくか、強化できるか。こういう選手がいるから、こうしていくというチーム作りです。けれど、代表チームはある程度、自分が理想とする、やりたいサッカーに選手を当てはめていく。逆の発想でチーム作りができるということです。
 それは(1996年のアトランタ)五輪監督の時代、その前のユース代表の時代に、そういう形でチーム作りをした感覚(がある)。そういう中での自分の理想は反映できると思いますし、たくさん有能な選手が国内外にいますから、しっかり把握した上で、作り上げていきたいと思います。ここ1カ月ですけれども、その中で作り上げられる選手を見ていきたいと思います。
 ある意味、趣向が偏ってしまう部分もあると思うのですが、有能なスタッフもたくさんいますので、違う意見も聞きながら(やっていきたい)。継続した力と変化の中で、大きな力を得ることができるのがサッカーだと思うので、あまり偏った理想・趣向ではなくて、たくさん選択肢があると思うので、そういう感覚で選手たち、チームを見ていきたいと思います。


――まだ選手に伝えるイメージはない?


 今、現時点では描けません。



――今のところ、なかなかチームがひとつになれていない中で、チームをひとつにするためにどんなアプローチをして、何を伝えたい?


 決して(チームの)現状がバラバラで、崩壊しているとは全く思っていませんし、しっかり戦えていると思います。まだ成果や個々のパフォーマンスが最大限に発揮できていないとは感じますけれども。選手たちは代表のために、最大限を出すプレーは3月もやっていました。僕はまだまだ出せると思いますが。それの伝え方というか、まずは(チームとして)融合していかなくてはいけないと思います。コンビネーションですとか、グループですとか。そういった(ことが)チームの中で機能していくということが大事だと思います。


――ハリルホジッチ前監督はグループリーグで対戦する3カ国をかなり分析して対策を考えていた。分析の結果というのは引き継がれている? それともこれからゼロからスタートするのか。(大住良之フリーランス


ハリルホジッチ前)監督自身も、本大会に向けて3チームのスカウティング、分析は強く求めていました。その蓄積はありますし、それは間違いなくベースになってくると思います。ですが、やはりここ1カ月の動向、チームとしての準備、それに対してのスカウティングというのは、これからさらに強くかけていかなければいけないと思います。
 急激に変わることが予想されますから、そういう中でのテクニカルスタッフたちの分析力、それは強く要求していきたいと思います。非常に細かいところまで分析をかけるとパワー的にも非常にかかるので、そういうスタッフのメンバー編成も考えていかなければいけないと思っています。


――先ほど指導者としてのブランクがあるが心身を整えたいと言っていた。2年間、監督業を離れていたが、また戦う上で、何を一番求められていると感じるか? またスケジュール面で、ハリルホジッチ前監督はガーナ戦のあとに23人を発表する意思を示していた。西野監督はどう考えている?


 まず自分を整えるということですけれども、確かにこの2年間はサポートの形でチームを見てきました。感覚的には同じ戦いをしてきましたが、そういう部分はさらに研ぎ澄ましていかなければいけないと思います。ピッチ上での自分というものを心身ともにしっかり立てる。その上で、ゲームやチームに対するそういう感覚はまた違うと思うので、そういう意味で戻さなければいけない部分は多分にあると思う。
 スケジュールに関しては、5月14日にラージを決めなければいけない(FIFAへの予備登録メンバー35名の提出期限)。キャンプに入るメンバーを直前に決めなければいけない。そして30日のガーナ戦が終わった後、23人、プラスアルファをどう考えていったらいいのかと。スケジュール的なことは、正確にはここでお伝えできませんが、ほぼそういう形で。ガーナ戦が終わってからになっていくと思います。


――日本の立ち位置を考えると、32チームの中で下位になります。その中で攻撃的サッカーをチャレンジするのか、守備的なサッカーで勝ちにいくのか、どちらを選択する?


 ゲームというのはいろいろな状況があります。オフェンシブに戦える時間帯もあれば、やはり総合的なチーム力によって、ディフェンシブな戦い方を強いられる時間帯が多くなる(こともある)。そういう中で、やはり勝機を常に求めていく。ゲームの流れをコントロールできなくとも、勝負に対して「ここ」っていうところの全体的な意識、そういう意識があればあれば、こういうチーム(強豪国)に対しても十分に戦える、勝機があるというところを(を持ちたい)。これはスタートメンバーだけでなく、いろいろな戦術変更やスイッチの中でも考えていきたい。
 攻撃的な志向で、得点を生んでいくゲーム展開に当然したいと思いますが、やはりそれだけでなく、そこにスカウティング(が入ってくる)。ウイークポイント、ストロングポイントがどこにあるのか、それを全体的に統一した上で戦って、できればオフェンシブな戦い方を求めていきたい。選手たちにも、そういうスピリットでゲームに入ってもらいたい。FIFA(国際サッカー連盟)ランキングがそのまま反映される世界ではない。対戦国が、日本はやりにくい、いろいろなことを仕掛けてくるぞというのをたくさん増やしていければ、そういう確率も上がってくるんじゃないかと思います。


――いろいろなスタッフの話を聞いて志向が偏らないようにしたいと言っていたが、森保コーチを加えた理由は? また、代表が次に集まる5月下旬までに監督はどのような形で動き、代表チームを作り上げるために働くのか?


 スタッフ編成に関しては、すべて日本人スタッフ、そして今代表チームに関係しているスタッフでカバーしたいという思いがありました。優秀なスタッフ(を集めて)オールジャパンでという中で、同じようにアンダーカテゴリーの活動がありますし、強化を図らなければいけないところなんですけれど、やはり五輪チームでの、そして彼自身の指導経験、インターナショナルなところで協力してほしいと思いました。
 将来的なところでも、手倉森、森保はこれからの世代を当然、引っ張っていってもらわなければいけない指導者であります。ほかのスタッフにもたくさん経験をさせたい。自分自身はこれまでそう多くのスタッフとやってこなかったですけれど、世界を経験できる中で、森保をはじめ、GKコーチ、コンディショニングコーチ、メディカルも含めて、できるだけ経験をしてもらいたいというところも考えて入ってもらいました。
 自分自身の今後ですけれど、まだスケジューリングはしていませんが、(海外と)往復する時間がどうか。全員に発信したい部分は当然ありますし、個人的に伝えたいところもある。まだそういう動き自体は決めていませんけれど、猶予があれば海外組の状況も(知りたいし)、実際に会って見た上で伝えたい。そういう部分も考えています。


――ハリルホジッチ監督はラージリストを作って候補選手を絞る段階だったと思うが、残り少ない時間の中で、それをベースに考えるのか。まったくまっさらにして、年齢などにこだわらずいろいろな選手の中から選ぶのか?


 できればフラットな状況で考えたいとは思いますけれども、実際、監督のもとでリストを作成している中で、そのベースとなる選手たちは現状も変わらないと思います。これからもその選手たちをベースとした上で考えていくのがベストだと思います。グループでとか、ユニットという中での力が必要ですので、新しい選手(の招集)も考えたいところではありますけれど、チームを作っていく上では、今出ているラージグループのメンバーをベースにした上で、そういう力を考えていきたいと思っています。


――西野監督は現時点で、日本代表がW杯で勝つ可能性を何パーセントと捉えているか?


 勝つ確率を高めていくには、選手たちのプレー、本来持っているパフォーマンスをしっかり出させる。その上で結果が間違いなくついてくると思うので、そこを追求したいですし、選手たちにも強調したい。あまり成果が一人歩きということではなく、選手たちのパフォーマンスを代表チームの中でもしっかり出していける。そういう状況を求めていきたいと思う。
 間違いなく、こういう事態になって選手たちは新たないろいろな気持ちを持っているはずです。これは1パーセント、2パーセントどころではない。選手たちはこの状況に対する危機感もそうですし、日本サッカーに対する強い気持ちをさらに持ってくれたと思います。現に昨日、一昨日のゲーム(Jリーグ)を見ていても、そういう選手たちの気持ちは伝わりますし、いろいろな意味で勝てる確率は現状から高まっていると思います。最終的な勝負に対しての確率も、間違いなく上がっていくはずだと思います。


――西野監督のW杯の目標を教えてほしい。ベスト16なのか、ベスト8も視野に入れているのか。それを達成すれば、続投、契約更改も視野に入っているか? それは自身のモチベーションになるか?(原田公樹/フリーランス



 かつて五輪で2つ勝っても上に上がれなかったことを経験しています。W杯でも6ポイントを取っても上がれないことも考えられる。1試合1試合の戦いでベストを尽くしてチャレンジしていくという姿勢で戦っていきたい。
 濁すようですけれども、予選は突破したいと思います、もちろん。そういう力を信じて作っていくここ2カ月だと思いますが、ただ選手たちには数字的な大きな目標を与えるつもりはないです。当然、経験ある選手たちは特にそう思っていますし、あえて(言わなくても)と思います。選手たちは現状よりも、絶対にいいプレー、いいパフォーマンスを出してくれる。そういう中で(初戦の)コロンビアに対して挑んでいきたいですし、十分チャレンジできる状況になると思います。


――(5月30日の)ガーナ戦の後でメンバー発表とのことだが、スケジュール的に試合を経験する回数が少ない。今予定されている親善試合3試合のほかに、非公式な試合をたくさん組むことも考えているのか?(後藤健生フリーランス


 当初の監督の予定ですと、5月19、20日が国内組のリーグ最終戦。そこからあまり休暇がなく招集してキャンプに入り、ガーナ戦に向かっていくということでした。現実、ここ4月、5月の国内組のマッチスケジュールを見ますと、(現段階で2チームが)ACL(AFCチャンピオンズリーグ)敗退というところもありますが、ルヴァンカップも含めて試合数は相当になる。私としては、わずかですけれど、いい形でリフレッシュしてキャンプに入ってもらいたいと思っています。
 海外組は5月の2週目くらいで終わってしまうスケジュールで、中南米、メキシコは4月中に終わってしまう状況。コンディションやリカバー的な日数も少しバラバラなところでガーナ戦に入っていかなければならないので、そこを合わせていくのが非常に大事になる。ガーナ戦の前にフルゲームのトレーニングマッチ的なものも国内で考えていきたい。状況によるんですけど、考える必要もあるのかなと思ってはいます。
 まず、40日以上の拘束になりますし、その前に国内のスケジュールもタイトだという中で、どう選手たちのメンタリティーをキープするかが非常に大事になる。ストレスになるような状況であれば、考えていきたいと思います。1カ月で状況が違う中でガーナ戦に入っていく上で、必要があればというところです。


――先日の田嶋会長の会見の中で、ハリルホジッチ監督の解任理由に信頼関係というものがあった。信頼関係を構築する上で、西野監督が大事にしていることは? ピッチ外での接し方はどうしたいと考えている?


 指導者にとって信頼関係を構築するということは数字では測れませんし、雰囲気で感じるのか、私自身も、スターティングメンバーで使っている選手以外はどうなのかなというところはずっと感じていました。チームの方向性、ベクトルが合っている中で、逸脱する選手、感覚的にちょっとというところがある選手もたくさんいます。そういう選手たちもひとつの目標に向かっている中のことであれば、全く問題ないと思います。
 信頼関係というのは、本当にそのチームをよくしたい、勝ちたい、タイトルを獲りたい、出場権を獲得したいという、その目標に全員が向かっていける状況を感じることだと、指導者としては思います。選手はそういう中で、試合に出場できたり、できなかったり、制限があったりということはたくさんあります。最後は指導者の方向性、情熱だとか、選手に対して気持ちをストレートにぶつけているかどうか、というところだと感じます。
 それは決して、薄れてきたということではなく、そういうものをやはりチームの中でいろいろなコミュニケーションをとった中で構築していくということ。それがチーム作りの大変なところだと思いますし、代表チームは特にスポットで集まって、ストレスが抱えたまま戻してしまう選手もいるので、そういう(メンタルの)ケア、代表チームの中でも(コミュニケーションを)密に取っていかなければいけない作業かなと思います。


※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。