LONDON CALLING

ポントルソンでのバスから電車への乗り換え時間4分という難関をパスして、昼すぎにシェルブール着。
ここからフェリーでアイルランドに向かう。ってその前に最後に昼食でムール貝くった。うまかった。


フェリー乗り場まで歩いて行けそうだったんで、歩いたら、果てしなく遠くて半分泣きそうになったけど、なんとか到着。カウンターで、
アイルランド、大人片道一枚」
と言ったら


「天候不良で欠航です」


ええ? 俺はこのフェリー(毎日運航してない)に乗るために、予定を調整しながら、綱渡りのような乗り換えを経て、ここまで着いたんだぞ!
まあ、そんな事言っても仕方ないんだけどな。


・じゃ、次の便はいつなの? え、火曜日? しかもそれも天候次第?
・え。どうすんの? どうすんのよ。俺? どうにかせな、いかんがな、これ。
・とりあえず、隣の会社のカウンターに行ってみるか。
・え?ポーツマス行? 何時に出んの? 17時? んで、向こうに21時着?
ポーツマスって、そうすると自動的にロンドンじゃん。そもそも今回はロンドンは行く気なかったのに。
・しかも21時着って、真っ暗じゃん。土地鑑も地図もないし。
・けど、シェルブールで泊まっても意味ないんだよな。フランスの他の港に行っても結局天候次第だろ。
・ああしかし、ポーツマス行の締め切りまで30分か。


ということで、3分考えて、アッサリと針路変更。とりあえずポーツマス行のフェリーに乗って、船内でこの先の予定を考えることにした。アタマの中ではClashの、"LONDON CALLING"が鳴り響く。
当然ながら乗客はほとんどがイギリス人かフランス人らしく、俺だけイミグレで時間がかかる。仕方ないと言えば仕方ないんだけど、出国なんだからいいじゃねえか、とも思う。


船内で、崩壊した旅程の修復検討しながら、1ペンスも持ってないことに気がついたんで、たまたまあった両替所へ。予想通り、トンでもないレート(円換算で1ポンド=220円)だったんで、渋々カードでキャッシュアドバンス。
俺、嫌いなんだよな。これ。海外ではカードが飲み込まれて帰ってこなくなった、という話を極めてよく聞くのと、使いはじめると湯水のように使いそうで、歯止めが効かなくなりそうなんで。
余程どうしようもない時しか使わないんだけど、今回の旅で初めて使った。


フェリーはそんなに揺れなかった。英仏海峡はOKで、外海かアイリッシュ海が荒れてるってことか。21時すぎにポーツマス港着。
そんで、予想はしてたんだけど、UKイミグレの執拗なコトバ責め。
みなさんがほとんどスルーで入国して行く中、一人だけイミグレで残されてんの。


で、みなさんほとんどクルマなんだけど、俺だけ港から市街地まで歩いてんの。
イミグレのお兄さん曰く、
「市街地まで歩けるぞ。港を出て右に行け。左は危ないからな。市街地まで1.5kmだ」
はいはい。1.5kmくらいならそりゃ歩けるけどな。ということで、暗い中を歩いて30分。どうやら市街地に入ったらしく(もっともイギリスの地方都市なんてタカが知れてる)、駅があったんで、入ってみるとロンドン行の最終が22:24発。ここまで一軒もホテルが見当たらなかったんで、一瞬ロンドンまで乗って行こうか、ロンドンまで行けば絶対に何とかなるぞ、とも考えたけど、思いとどまった。
駅には地図が貼ってあったけど、ホテルとか書いてないし、まあどうにでもなれ、って感じで多少は明かりがある方に歩いていくと、土曜の夜ってことで若い子らの夜遊びエリアに突入。ちょっとさまよってたら、何とかホテルが1軒だけあって、48.95ポンドもしたけど、
「ええい。こんなもん、カードじゃ」
と、もう半ばヤケクソでチェックイン。


ただ、あの夜遊びスポットは皆楽しそうだったな。連れがいれば、俺も繰り出してたぞ。