普通、麺は、噛み切らない。

こないだ、Tちゃんと中国のどこかでメシを食っていた時の話である。
その時は麺ではなく、何か普通に食事していながらも、メシの話をしていて、たまたま香港での食い物の話題に。そこで麺の話になったんだが。
(そう言えば、我々が食事中にする会話のほとんどはメシに関する事だwww)



まず、バックグラウンドとして、香港でそこら辺にある店に入って麺を食う場合、大抵2〜3種類の麺が選べるんだが、黙ってるとデフォルトの麺として細い、そしてめちゃくちゃ硬い(コシがありすぎるというのか)麺になる。
そこで、ふと前々からの疑問を口に出したところ。


「あのな。もの凄い、どうでもいい話なんやけどな。俺は子供の頃からずーっと凄い疑問だったことがあるんやけどな」
「ん?」
「あのな。麺を食う時ってな。ラーメンとかでもいいんだけどさ。お前、噛み切ってる?」
「ん?」
「つまりな。麺を噛み切る、のなら多分普通に言葉を捉えると、前歯で噛み切るものだと思ってるんだよ。俺は」
「ん」
「ところがな。実際には、前歯の上の歯と下の歯の噛み合せ、というか現実には前歯には噛み合せと言えるような部分はないんだけども、とにかく、そこで噛み切るのはめちゃくちゃ難しいやろ?」
「ああ」
「でな。俺の場合は、どうやってるか、っていうと、麺を上の歯と舌の間に挟んで、前歯の尖った所に舌で押し付けて切ってるのね」
「なるほど」
「ちゅーことは、厳密には、噛み切っていないんだよ。ちゅーか、噛み切るなら奥歯でしか有り得んけど、麺をそんな食い方する奴はおらんやろ?」
「うん」
「日本の麺だと、柔らかいうどんなら、まあ噛み切れなくはないかもしれんけど、それでも俺はそうやって上の前歯と舌を押し付けて噛み切ってんの。で、子供の時から、みんなちゃんと上と下の前歯で噛み切ってるのか、凄い疑問だったのね。俺の食い方は、俺だけなのかしらん。みたいな」
「なるほど」
「で、香港の麺とかさあ。あんなん、前歯で噛み切るのは絶対に不可能やん。細さ的にも、硬さ的にも」
「絶対ムリだな」
「そやろ。そこでキミの場合は、どうやって切ってるのか、知りたいんだよ」
「そういう意味では、俺の場合も、舌を使うけど、ちょっと違うな。どっちかというと、前歯の裏に押し付けて切る、っていう感じ。ただ、上と下の歯で食うのは無理やろ。誰にも聞いたこと無いけど」
「そうか、やはり下の歯は使わずに、舌を使うんだが、当てる場所が違うんだな。サンプル2つで、近いけど微妙に違う2つのパターンがあるわけだ。ただ、やっぱ舌だよな。どっちかって言うと、舌で押して切る、って感じだよな。ラーメン屋とかでさあ。子供に麺を食わせながら、子供だからなかなか切れないじゃん。それを隣で見ながら『噛み切れ!』とか言ってる親見ると、凄い違和感感じてたのね。俺は」


という、そのどうでもよさ加減について言えば、年間最高記録に近い会話があったんだが、どういうことかというと、俺は違う、って人があれば、教えてください。