過信せず、怖れることなく、

どうにもよく判らないのが、先週のイエメン戦(家に帰ってTVをつけて初めて、試合をやっていたと知った)の後に故障上がりの遠藤を招集したことである。
これはワールドカップの予選ではなくて、アジア杯の予選なんだけども。しかもバーレーン、イエメン、香港を相手に上位2チームが本戦出場。
であれば、イエメン戦がそうだったように、新戦力の発掘と割り切ってメンバーを組めばいいのだ。イエメン相手に2-1とはいえ、何を焦っているのか、そしてそんなにも中村憲剛を信頼できないのか、どうにも理解に苦しむ。


状況的には、何が何でも勝たなければならない試合ではないのだ。
勿論、勝った方がいいに決まっている。(負けて得るものもあるとはいえ、その言葉は格上の相手に対して使われるべきである)
しかし、物事には優先度というものがある訳で、現時点で最優先されるのは2/11のオーストラリア戦。
であれば、本来このどうでもいい試合は、完全に割り切ってやればいいのだ。イエメン戦のメンバーは明らかにそうだったので、岡田もそう考えていると思っていたんだが。


稲本のフィットや、本田圭佑を試すにも絶好の機会。ここで無理に遠藤を入れる必要性は全くない。むしろここで無理をさせて2/11に使えなくなる方が余程マズい。
前回の対戦時(アジア杯準々決勝@ハノイ)と違って、高原という主砲を欠く日本は、今度こそ中盤で相手を圧倒する必要があると思うのだけど。




その対戦までの準備としては、ここでの試合はまさにうってつけ。
2/11の試合には闘莉王が使えないのはほぼ間違いないんだろう。であれば、中澤の相棒としてはバーレーン戦も2/4フィンランド戦も寺田が出場する筈。これまでの試合を見る限り、寺田は立派に役目を果たしている。


楢崎が使えないのは年末の時点で判っていたが、ここにきてヨシカツも故障。GKという特殊なポジションではあるが、過去10年以上、この2人を脅かす選手が1人もいなかったという状況もちょっと異常だった。川島はユース時代から才能あるGKだった筈だが、名古屋では遂に楢崎を押しのけることができず。しかし川崎に移籍して正GKの座に就いたのは大正解だったと思う。
常々、GKに関しては好調なチームで自信をつけた筈の川島にチャンスを与えるべきだと思っていたが、日本にとっては偉大なこの2人のGKを外すタイミングも難しかったとも思う。いかにヨシカツが磐田で失点を繰り返していたとはいえ。
しかし、今回は願ってもないチャンス。川島はイエメン戦でスタメンを張ったとはいえ、ああ次はヨシカツなんだろうな、という見方が大半だったところに、降って湧いたヨシカツ故障。恐らく岡田は残り2試合で菅野でも都築でもなく、川島を使うだろう。これで川島は大一番の前に3試合の経験を積むことができる。普段通りのパフォーマンスを出せればやれる筈。


使えない選手が多いからといって、悲観的になることはないのだ。日本には確実に穴を埋めるだけの力を持った選手がいる。あとはいかにその力を発揮できるかということで、これは誰にとっても同じ話。
高原のいないFWには、好調そうな田中達也と、玉田、巻がいる。


勿論、オーストラリア相手に過信は禁物だが、かといって「選手がいない」などと怖れる必要は全くない。
間違いなく日本を代表する選手が、ここには、いる。



とか書いてて、最後に言うのもなんだが、それにしても考えれば考えるほど時期的には最悪。
やはり3月か6月あたりにベストパフォーマンスでやりたかったな。オージービーフとは。