暴力団のオキテ

昨夜のSMAPの生謝罪。
あのセリフは間違いなく事務所側が作ったものだとは思うが、画面に映った言わされてる感と何よりも彼らのあの表情は、事務所側にとっても予想外むしろ誤算に近かったんじゃなかろうか。
表情一つ、声の出し方一つで印象は変わったと思うし、プロ中のプロである彼らがそれをできなかった筈が無いと思うんだが(あるいはやらなかった?)。いずれにしても明らかにマイナスだよね。


謝罪そのものにしても、日本社会における「世間様」向けにやったものというのが名分でもあるけれども、彼らのセリフの内容を聞いてるとむしろあれは事務所に対する謝罪であって、これを市中引き回しの刑として公開した感の方が強く出ていた。なんとまあ芸能界というのは恐ろしい世界である。要するに抜けようと画策しただけで、ああいうリンチを食らうわけだ。


そしてこのリンチには、全てのTV局、全ての芸能事務所が加担しているということを忘れてはいけない。
だって事務所を抜けたら村八分で仕事が無い、という状況はそれらのすべてが暗黙のルール構造の中で活動しているからこそ成り立つ訳で、つまり自由競争が始まったら困るのはジャニーズ事務所だけじゃなく、既存のサークル内のメンバーすべてが困るからこそ、こういう醜い状況が現れてる、ということ。
要するにこれって一種のカルテルじゃん。まったく、2016年という時代にして暗澹たる話。しかもそれが夢を売る商売で、国民的スーパースターでさえもそれからは逃れられなかった事実から思いっきり表面化しちゃったわけだ。
まあそもそも興行界というのは歴史的にアッチの世界との結びつきが深いところではありますがね。


一番良いのはタレント側が組合でも作って、団体交渉することだと思う(例えばプロ野球は時間がかかったとはいえ、そして歪な形になったとはいえ、オーナーサイドにFA制度を呑ませたわけだ)んだけども、そういった左巻きの発想というのは難しいんだろうなあ。