Ian Brown @ Belfast

gowest_lookeast2005-12-09

午前中、歩いてフォールズに行ってきた。
壁にはかなりの数のアート風スローガンとか、紛争の犠牲者に関する絵もあって、 「ああ、まだここはこういう土地なんだ」 と思った。 通りにはシン・フェインの事務所もある。共和国の旗を掲げた家もある。店の貼り紙にはゲール語らしき言葉で何か書いてある。そして、Glasgow Celticを応援している人が多いらしい。(w


フォールズの坂は思っていたほど急ではなく、少なくともブレーキの壊れた自転車で下って止まれなくなるほどじゃないと思った。 一箇所だけ、薬局と中華料理屋らしき店が並んでいるところがあった。中華に入って何か食べたかったんだけど、改装中で営業してなかった。


最終目的地、ベルファストのフォールズ到達。


ということで、今回の旅もほぼ終了。
リバプールからのフェリーでヒマだったんで、数えてみた。 東京を出発して以来、11月いっぱいで164日。ということは今日で173日目。12月16日にはトーキョーに着くんで、ちょうど180日。
180日間世界半周か。直線距離だと6000 マイルくらいだと思うんで、だいたい10000キロ。でも移動距離は軽く倍はいってる気がするよなあ。
で、中間地点はどこだったのかというと、9月17日。場所はイスタンブール。もっと東のような気もするけど、日数的にはイスタンブールで折り返しだったんだ。意外だな。俺的には、イスタンブール到着で、相当終わった気がしたんだが。


通った国の数は、これまでに22。明日のダブリンへの移動でアイルランドに入るんで、それで23。
並べると、
中国、パキスタン、イラン、トルコ、ブルガリアマケドニアアルバニアルーマニアモルドバウクライナセルビア・モンテネグロボスニア・ヘルツェゴヴィナクロアチアハンガリーオーストリアチェコ、ドイツ、オランダ、フラン ス、スペイン、ポルトガル、イギリス。
次のアイルランドで23ヶ国目。ふう。東欧はけっこう頑張って回ったな、という感じ。それでもまだ行ったことない国があるんだよな。 スロベニアスロバキア、スイス、ベルギー、ルクセンブルグリヒテンシュタインアンドラモナコ。北欧も、デンマークしか行ったことがない。
スイス、ベルギー、モナコあたりは間違って行くかも知れないけど、それ以外は今後もまず行かないと思われ。


しかしアレだな。こうなると、ヒコーキだけじゃなくて、タクシーも使わないっていう縛りを入れておけばよかったな。乗り合いは何回か乗ったけど、一人で乗ったのは上海で一度乗っただけで、その後は乗ってないと思うんだよなあ。上海も、歩いて地下鉄まで行けば、タクシー使わずにいけたんだけど、もう面倒だったんだ。アレがなければタクシーも使わなかったことになるのに。惜しかった。


ダブリンの後は、再度アイリッシュ海を渡って、マンチェスターでおしまい。
しかし、来週の今ごろはトーキョーか。それもなんかピンと来ないな。


そんで、今夜は


9.Dec Ian Brown


ベルファストに着いた日に、通りがかったVirginのウィンドウに貼ってあったライブのリストで見つけたんだよな。 11の朝にベルファストを出るつもりだったんで、ポール・ウェラーばかりか、イアンまで見れるのかよ!って感じ。 Virginのチケットカウンターで聞いたらこれも売り切れなんで、現場で勝負。 ハコは、ほとんど中心街でYHから歩いて5分。なんで、終電の心配はなく、オールでもオッケー。


20:00スタートのところ、20:20くらいに行く。出掛けにYHのロビーのテレビで、W杯のドロー番組やってて後ろ髪を引かれながら振り切って出る。会場前、ダフ屋は皆無。ああ、こりゃ厳しいかなあ、と思ってたらチケットを余らせたシロートの兄ちゃんがいたんで、ソッコー近づいてゲット。33ポンド、定価だ。ラッキー♪


グッズ売り場を覗くと、例の35thスーパースターのTシャツがあって衝動買い。今日はadidasジャージ率が非常に高く、俺もadidasなんで、オッケー。スニーカーも、パッと見、バリバリのスーパースターだし。 中に入ると思ったより狭い。恵比寿のガーデンくらいか。ステージの隅っこでDJが回してるんだけど、誰も反応してねえの。


イアンは21:40くらいにやっと出てきた。adidas2002年W杯仕様のスカジャン型ジャージ。遠くて見えなかったけど、胸にはJFAのエンブレムが付いてるハズ。 ステージに上がりながら、なにか唄ってて、どうもジョージ・ベストのシャントなのか。会場もコールで反応。何いってるか、サッパリワカラン。そんで、その後もYellow Submarineに乗っかって、
"We all living in a George Best's foot, George Best's foot, George Best's foot"
とやって拍手喝采。 George Bestは10日前くらいに死んで、ちょうど俺がイギリスに入った日にベルファストで葬儀があったんだ。BBCで何度も何度もやってた。で、後で気が付いたんだけど、イアンとベルファストって、George Bestつながりなんだな。随分前に、多分兄貴の方だった気がするんだが、とにかくギャラガー兄弟のどっちかのインタビューで、
Stone Rosesは本当に凄えバンドだ。ただ、唯一気に入らないのは奴等がユナイテッドを支持してるってことだ」
と言ってたのを思い出した。


そんで、正式な1曲目は、奇を衒ったのか、"Elizabeth My Dear"。おおっ、って感じ。 で2曲目が、"I wanna be adored"。マジっすか。


I don't want to sell my soul. He is already in me.
I don't want to be someone's soul. He is already in me.
I wanna be adored.


えーと。未だかつてないくらいのすごい大合唱なんですけど。
つうか、イアンは1/3くらいしか唄ってなくて、あとはみんな客が唄ってんの。スゲー鳥肌モン。
それにしても、Roses封印を解いたとは言え、イキナリのアタマ2曲からこれはやりすぎだろう。これで、"One Love"とか、"Fool's Gold"とか、"Elephant Stone"とか演っちゃったら、脳ミソ吹っ飛んじゃうぞ。と思ってたんだが3曲目の"Dolphines are Monkies"でトラブル。



何かよくわかんないんだけど、とにかく4〜5回途中で止まってそのつどやり直し。
最初はイアンも、「ごめんごめん」と言ってたものの、止まる度にバックステージの方と何かやってるうちにキレ気味。何が悪いのか、よくわからなかったんだけど、ありゃあモニター系のトラブルくさいな。
とにかく、曲の途中でも裏に指示出しながら、どうにか"Dolphines are Monkies"を終えたのはいいんだが、そこからは曲の途中、曲と曲の合間に何度となく裏に入っていって、こうなると演ってる方も、見てるほうも、集中力を殺がれてもう全然ダメ。
イアンの場合、ただでさえ、テクよりも、その場のグルーブ一発で勝負するタイプだしなあ。(正直、相変わらず、唄はヘタクソ)


そんな中、イライラしたんだろう客が、ステージにビールのボトルを投げ込む。ペットボトルなんで、割れはしないんだけど、危ないことには変わりないし、機材も濡れるしってんで、イアンがセキュリティに
「あのファッキン野郎をつまみ出せ!」
と言ってたんだけど、そのうちに何十本も投げ込まれ始めてもう収拾付かず。 多分、酔ってるだけじゃなくて、ドラッグキメてる奴等もいたんだよなあ。つか、俺の周囲でも兄ちゃんたちが回してたし。しかも錠剤じゃなくて、パウダーなの。で、それが効いて、負のほうにいっちゃったんじゃないかと。


とにかく、いったんバンドは引っ込む。 オイオイ、どうなっちゃうんだ、コレ。 と思ってると、投げ込みがおさまってしばらくしてバンドが戻ってきた。 イアンは完全にブチ切れて、何か言ってるが、早口で興奮してもう何言ってるかもうワケワカラン。聞き取れたのは"Fuckin'"を連発してたことくらい。


もちろん、大多数はクリーンにギグを楽しみに来てるワケで、投げた奴等にはブーイングなんだが。 とりあえず、それから2〜3曲だけやって、本編終了23:00。しかし、アンコールも何もなしで、客電が点いて、ちょっと客は欲求不満のまま出されたって感じ。


ま、日本でもいつもいいライブばかり見れるわけじゃないしね。
正直、終わった後に、「いいライブだったあ」って思えるのって3回に1回くらい。
「めちゃくちゃいいライブだったあ」ってのが1/10。ロンドンのポール・ウェラー は、ここに該当。
「凄いモノを見た!」ってのが1/20〜30。(昔チッタで見たRosesはここに該当)
「奇跡を見た!」ってのが1/100。


まあでも、素直にロビーでドローでも見てりゃよかった。結果は明日までわからんがな。コレ。
それにしても、ドローの中継番組も含めて、BBCのサッカー番組の司会って、リネカーがやってるんだけど、とてもシロートとは思えないくらい上手いんだよな。まるで久米宏みたいなの。



P.S.
Webで記事になってるがな。コレ。
http://www.barks.jp/news/?id=1000016086&m=oversea


金曜日(12月9日)にベルファストでコンサートを開いたイアン・ブラウンが、観客がプラスティックのカップやボトルをステージに投げ込むことに怒り、ステージを降りてしまった。その後ショウは再開されたが、ブラウンは観客のマナーの悪さに辟易しているようだ。

NME.COMによると、ブラウンは「Dolphins Were Monkeys」の演奏中、サウンドに問題が生じたため曲を中断。これに苛立ったファンの1人がステージへボトルを投げつけたのをきっかけに、次々と客席からボトルやプラスティック・カップが投げ込まれるようになったという。ブラウンはこれに気分を害しステージを降りてしまった。その後、ショウは再開されたが、スタッフはブラウンが姿を消している間、ステージ上の器材が破損しないようカバーをかけるなどの対処に追われている。

ブラウンのレコード会社はこの出来事に以下のような声明を発表している。「ベルファストでのショウでサウンドに問題が生じ、バンドは何回も曲をスタートし直さなくてはなりませんでした。このことでオーディエンスの一部がステージへグラスやボトルを投げ込むという卑劣な行動を起こしています。アーティストはこのような行為を黙認すべきではありません。ブラウンは、彼らが北アイルランドのファンを代表するわけではないと信じています」

イアン・ブラウンは来年2月にUKツアーを再開。グラスゴーアバディーンニューカッスルなど北部の都市で公演を行なう。