Manchester United vs Wigan @ Manchester

gowest_lookeast2005-12-14

試合の時間までヒマ。スタバでマターリ。
ここでトイレに行った。男性用は1つだけの個室だった。ちょうど前に入ってたお兄ちゃんと入れ違いになって、このすれ違いざまに何か言われたけど、とっさに聴き取れずに、
「え。なに?」
「それ、ヴィンテージ?」
(何のことやら一瞬理解できず。しかし、俺のシャア専用をじっと見てる。あ、これのことか)
「ああいや、これ、プロモデルなんだけど」(ジーンズの裾を引っ張り上げてハイカット部分を見せる)
「ああ。なるほど。ヴィンテージに見えたよ」


そうなんだよな。黙って履いてると、やっぱ、フランスメイドのヴィンテージなんだよな。これ。
そんで改めてこのお兄ちゃん見ると、ジャージ上下にフォーラムか何か履いてて、要するにall adidas。アレは凄いな。あそこまでのカッコはちょっとオタすぎて俺にはできんわ。スニーカー + 1点が俺の限界。
そんでもって、よくもまあ、あのすれ違い様に俺の足元までチェックして、なおかつヴィンテージという判定まで下したな。俺も、街では比較的足元だけは観察するけど、ありゃあ、ありえんわ。


やっと夜になったんで、市街地を19:00ちょい前に出て、オールド・トラフォードに19:20着。どこのスタでもそうだけど、スタで売ってるオフィシャルよりも周りの屋台で売ってるアンオフィシャルなTシャツとかの方が面白いんだよな。Rooneyのシャツで"Wayne's World"とか。

一瞬買おうかと思ってしまったのが、
" '66 was a great year for English football.
Eric the KING was born."
って赤いTシャツで、セント・ジョージ旗をバックにCantonaの顔がプリントされてんの。アレは効いてたな。
ちなみに俺の日本代表Aマッチデビュー戦は、94年国立のフランス戦だ。Cantonaがいて、Papinがいて、当時若手のDechampとDesallyがいたんだ。


中に入って、選手がアップに出てきたんで、一番前のほうに行って、ちょこっと写真撮る。Parkは今日もサブの様子。
そんで、この時に初めて気がついたんだけどオールド・トラフォードって、巨大な映像スクリーンがないのね。あの古ぼけたハイバリーですらコーナーに置いてあるのに、ここにはほとんど弾幕サイズの細い、要するに文字しか映せないようなモニターがあるだけなんだ。イマドキ、珍しい。


Stone Rosesの、"This is the one"が場内に流れて、これがフェイドアウトしていった所で選手入場。カコイイ!
普段はありえないが、今日だけはユナイテッドを応援。ただ、立ち上がりはどっちかと言うとウィガンのペース。ちょっと危ない場面もあって、イヤーな感じ。そもそも今回の旅行、ここまでに6試合見て、俺が応援したチームが勝ったのはプラハだけだ。


ところがユナイテッドが踏ん張って30分。Gigsが蹴ったCKをFerdinandoがイッパツで頭で合わせてユナイテッド先制。
"RIO! RIO!"の大歓声。


ここから完全にユナイテッドのゲームになって、その5分後くらい。


Rooney


右寄りからドリブルで切り込んで、DFに潰されかけて、一旦は芝に膝をつきながらも、ここで踏ん張って立ち上がり、ボールをもう一度引き寄せて、別の2人目のDFをかわして左足でニアにドスン。


スゲェ。。。
まさに、ド根性でねじ込んだ、って感じであんなゴール見たことないよ。どっかの国のFWだったらあそこで転んで、ファールも貰えずにおしまいだぜ。
いや、マジでRooneyは思っていたより遥かにいい選手だった。驚いた。Van Nistelrooyは基本的に前で張ってることが多いんだけど、Rooneyは上下左右に動きまくり。ディフェンスもちゃんとやってたし、一度はバックラインまで戻って追いかけてたし。捌きも上手いし、オールラウンドじゃん。ウィガンのDFはまったく捕まえ切れてなかった。


とにかくこれで2-0。昨日読んだ新聞によると、今季はホームで2点目がなかなか取れていない、ってので叩かれてたんだけどこれで待望の2点目。

Van Nisは、一度、Rooneyが右サイドをズタズタにして入れた低くて早いクロスにボレーで合せて、撃ったコースも悪くなかったんだが、ウィガンのGKが片手で弾き出した。あれはGKが上手だった。あのGK、少なくとも2点は止めてたな。


後半になっても変わらずWayne's World。後半の2点もRooneyが完全にラインの裏を取って抜け出して決まった。
3点目は、1 on 1 で飛び出してきたGKの上を軽くループ気味に浮かせたシュートでゴール。
4点目も、3点目の再現で、裏を取ったRooneyが今度はボックス内で倒されてPK。Rooneyが蹴ってハットかと思いきや、これはVan Nisが蹴った。


俺の席はゴールラインの延長線上くらいで、メインスタンド最上部ながら、スタンドが程よい高さで見やすかった。後半の2ゴールはほぼ目の前。


Parkは残り15分くらいからScholesに変わって出場。見せ場は1度だけだった。頑張って欲しいよなあ。Parkには。


4-0になって完全に余裕になって、サポもGeroge Bestのシャントを唄いだした。ベルファストのギグで聞いたアレ、やっぱそうだったんだ。Yellow Submarine。最初の方が聴き取れた。


Number one is George Best.
Number two is George Best.
Number three is George Best.
Number four is George Best.
We are all living in the George Best's foot, George Best's foot, George Best's foot.

Number five is George Best.
Number six is George Best.
Number seven is George Best.
Number eight is George Best.
We are all living in the George Best's foot, George Best's foot, George Best's foot.
(以下、続く)


判ったからには、俺も唄う。
いやイングランドフットボールの何がスゴイかって、このシャント。シャントが判れば楽しさ倍増。ハッキリ言って、ここに集まるオッサン、アンチャンの半分くらいはシャントするために来てる様なもんだ。
これはもう100年やっても日本じゃムリ。(別にそれでもいいと思う。日本は日本の道がある。ただ、イングランドのサッカースタンドのシャントというヤツは本当に感動的。悔しいけれど、カンプ・ノウでも敵わない)

もっとも、オールド・トラフォードはスタジアムが大きすぎるので散漫になるのと、やっぱビッグクラブすぎてヌルいファンもいるんで、思ったほどではなかった。リバプールグディソン・パークと、ハイバリーはスゲエ迫力だったけどな。


タイムアップの後、多少の余韻があって、ゆっくり出た。
思ったほど、道は混んでなかった。


あー、これでおしまいだなー。って思いながら駅まで歩く途中、これまでの旅が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。







というのはウソで、あー、早く戻ってビール、ビール。キックオフ前からちょっと何か飲みたかったけど、このためにガマンしてたんだ。
トラムにも意外な程、並ばずに乗れて市街地へ。
パブに飛び込んで、とにかくビールやがな。何でも高いイギリスで唯一許せるのはビールくらいだ。場所にもよるけど、1パイント(約500ml)で£1.5〜2。


で、混んだパブで一人でビール飲みながらたたずんでると、ここまでの道のりを思い出して、思わず目頭がアツくなった。







というのも全くのウソで、あー、このビール、うめー、ってだけ。