まずはシャワーを浴びてさっぱりしてから、ビビッてても仕方が無いのでキャンパスの外に出てみる。
車はそこそこ走ってるけど、人があまり歩いていない。そもそも商店が存在しないし。
歩いてる人もみんな黒人。むっつりしててもナンなので、とりあえず擦れ違う時にアイコンタクトで笑いかけたりすると、大抵ポジティブなリアクションがある。当たり前だけど、大多数は普通の人間だ。日本人と変わらない。アメリカ人と変わらない。当たり前だけど。
交差点の信号を渡る所で、何かを売ろうとしている人（当然、黒人。着てるものは、ボロボロ）がいて、歩行者は俺だけだったのでちょっとビビリつつも、彼にも"Hi"と声をかけると、ニッコリ笑って親指を立てる。
やっぱり大多数は普通の人間なのだ。人様に迷惑をかけずに生きようとしている。日本人と変わらない。当たり前だけど。
あても無く10分くらい歩くと、BPのガススタンド併設のコンビニみたいのがあったので、食料調達ついでに入ってみた。チキンとかフライドポテトが売ってて、そこで食えるようだったので、オレンジジュースと、あとは非常食用のビスケットとチョコを調達。普通にカードが使えた。これも当たり前か。
試合は16:00キックオフ。14:30くらいにフロントに下りていって、タクを呼んで貰おうとしたら、たまたまスペイン語BBCの取材が来ていて、なぜか俺がインタビューされるハメになった。
「俺、英語ヘタクソだから("But I'm not good at speaking of English.")」と言ったんだけど、フロントにいた人間全員に
「全然しゃべれてるじゃん」
と言われて押し切られてしまった。
2〜3分だけだったけど、採用されて放送されるのかどうかは、全くワカラン。
で、そうこうしているうちに、たまたま白タクのお兄ちゃんが来たらしく、彼の車で最寄のPark & Rideポイントまで行って、そこからシャトルでEllis Parkへ。
ダウンタウンのド真ん中を走っていったけど、滅茶苦茶にヤヴァいフンイキとかもなく結構、普通。
で、Ellis Park到着。
この試合、最初はあまり考えてなかったんだけども、なんつってもArgentinaだし、ここで観ないと他にEllis Parkで観る試合はないし、ってことで一応チケットを申し込んだら当たってしまったのだ。
イングランドのスタジアムみたいにエントランスがTurnstileになってて1人ずつ入る方式。中の造りも古いスタジアムのフンイキ満点。そんでもって古いスタジアムらしく、座席がめちゃくちゃ狭い！ 試合中に今日の入場者数が55000くらいの数（はっきり覚えてない）だと表示されたけど、どう見ても国立より大きいとは思えないサイズで55000というのは、狭いスペースに押し込んでいるからだとしか思えない。
ただ、これまでに行った中で古いフンイキのサッカースタジアムと言えば、Goodison Parkか今は亡きHighburyなのだが、それらに負けないくらいいい感じのスタジアム。(Old Traffordは、あまり「古い」ってフンイキじゃない）
ああ、来てよかった。多分、もう一生来れないし。
Argentina。
記憶が確かなら、俺の生開幕がArgentinaなのはこれで3大会連続。前回はHamburgでの対Cote D'Ivoireで、前々回の日韓は鹿島での対Nigeria戦。
どっちもアフリカだ。そしてどっちも勝った。前回大会は4年前に書いたけど、鹿島での試合はBatistutaがヘッドをねじ込んで1-0で勝ったと記憶している。
ちなみに、さらにその前のフランス大会は六本木のベルファーレで見た。(若かった。。。) 言わずと知れた、日本のW杯初出場の初戦。やっぱりBatistutaがゴールを決めて0-1だった。。。
ということで、スタンドに入るとどうんだろう。Argentinaの水色の方が多いんだろうか。地元の人はNigeria側の方が多い感じ。来る途中のバスの中でも、同じアフリカの方を応援すると言っていた現地人もいたし。
ただ、御多分に漏れず、やはりArgentinaくらいになるとどこに行ってもファンは多いもので、水色のシャツや国旗を纏った明らかに現地人、というのもいる。
問題のブブゼラは、耳元で鳴るとかなり鼓膜がヤヴァいと思われるが、そうでなければ、まあそんなでもないか。ただ、隣と話すのはちょっと苦労するくらいのうるささ、ではある。
さて。Argentina。
ピッチに出るコンコースにいる選手がスクリーンに映ったが、一番後ろにMaradona。
なんと、スーツ着用。おいおいスーツとか着れるのかよ。オッサン。似合うんだか、似合わないんだか、よく判らんが、また太ったな。
試合中は終始テクニカルエリアのピッチサイドに立ちっぱなし。
シュートミスの時はリアクションが大きくて、それがスクリーンに映るんだけど、体形が悪いので動くとスーツが合わずにカッコ悪い。普通にジャージの方がいいんじゃないでしょうか。
ただ思ったのは、Maradonaは本当にボールに触るのが大好きなんだなあ、と。ボールがArgentinaのテクニカルエリアそばでタッチを割って、Nigeriaボールになったのが多分5回くらいはあったんだけど、全部Maradonaが拾っちゃうのね。で、足ですくい上げてNigeriaのスローインする選手にパスすんの。普通やんないでしょ。そんなこと。絶対放っておくよね。ましてや勝ってる試合だもん。時間使えって思うじゃん。きっと彼の中ではそういう理性よりも、「ボール蹴りてえ」という本能の方が圧倒的に強いんだろうな。ある意味、今日の試合で一番興味深いシーンでした。
さてさてArgentina。
4-4-2(あるいは4-1-2-3か)の布陣。HiguainとTevezが左右に並ぶ2トップで、トップ下に我がLionel Messi。
2列目は左に北京の決勝で素晴らしいループを決めたAngel Di Maria。右にVeronで、底にカピタン、Javier Mascherano。
DFは、左にHeinze、CBの片割れがDemichelisというのまでは見てて判ったが、右ともう1人のCBが判らない。（途中で気がついたが、片方はSamuelだった。もう右は後で調べるとGutierrez)
いずれにしても、かなり大胆な布陣。要するに5人で攻めて、5人で守る、みたいな。
ただ、どういう訳か、Di Mariaはあまり前に出られなかった。そんなに凄い圧力受けていたようには思わなかったし、Heinzeも十分に対応できていた。
Nigeriaの方は、ハッキリ言ってよくワカラン。
Obafemiはスタメンじゃなかったし、変態Kanuが代表に入ったらしいということは聞いていたものの（だから準備不足なんだってば！）、スタメンにはいない。
で、試合なんだが、どうなんだろう。そんなに良くはなかったですね。
「Messiシステム、未ダ完成セズ」みたいな。
Messiが1点取ってれば、また印象も違ったんだろうけど、相変わらず吸い付くドリブルで狭い所をビシバシ抜いていくものの、最後はコースを消されてシュートだけは決まらないー。
Tevezは相変わらず猟犬の様に走るし、Higuainを生で見るのは初めてだったんだけど、かなり身体を張れるFWなんだ。ある意味、Militoに似ているのかも。(後半途中でHiguain→Milito）
と、ここまで書いて気がついたのだけど、来年、MouはHiguainの居るMadridに行くのだが、Militoとか連れていっちゃうんだろうか？
心配なのはディフェンスで、Gutierresのところはちょっとヤバいかも。ちょっと軽いというかファーのケアがめちゃくちゃ甘いんだよな。Nigeriaはあそこだけで2回くらいどフリーのチャンスがあった。
GLはともかく、Knock Out Roundに入ってトップ10クラスと当たると、あそこはちょっと。ぶっちゃけ炎上してもおかしくないかも。
というか、先にMascheranoのところが支えきれなくなるのか。やっぱCambiassoかZanettiを入れてないのはよくワカランよな。Maradona。
次にArgentinaに挑むのは、東アジア最強（これは認めざるを得ない）の韓国。
韓国がどこまでやれるのか、ちょっと楽しみ。昼の試合なので、まったり行けるだろう。
で、試合が終わったのが18:00。17:30くらいには完全に陽が落ちる。陽が落ちるまでは、ヒートテック+長袖Tシャツで全然OKなくらいの寒さだった。
陽が落ちると、その上にフランネルを羽織る。一応、ジャージも持ってたけど、これはあってもなくてもいいくらい。
問題なのは、「どうやってホステルまで戻るのか」ってことで、ハッキリ言って、アテがない。判るのは陽が落ちた方向を見ていたので、あっちが西ということだけ。ホステルは北西にある筈。
ということで、何となく人の流れに乗ってそっちの方に歩いていく訳だが、当然ながら人は減っていく。当然ながら、外国人は特に。
ををを、どうなるんだ、どうなるんだ。もうお店の明かりがないと真っ暗だぜ。まだそれなりの数がいるからいいけど、妙に寂しくなったりするとめちゃくちゃ怖いぞ。とりあえずホステルの方角でかつ明かりがあって人が多そうな方に向かって歩くと大通りにぶちあたった。人がたくさん。普通の人々。なんだかよく判らない食べ物も売っていて、ヒジョーに興味を引かれたが、それ所じゃないので今日はスルー。
とりあえず一息入れるか、ということで地元のスナック屋に入って、パイとフライドポテトとコーラで一休み。ここで地図を出して現在地を確認。なんとなくここら辺というのは、判った。もうちょっと歩けばそれなりのホテルがありそうだというのも判った。食べ終わった後、意を決して外に出る。
ちょっと歩くと、もう人が激減。泣きそうになる。ほとんどヤケクソでガイドブックを手に持って、交差点ごとにstreetの名前を確認。ガイドブックの地図には俺のホステルの位置は載っていないので、ほとんど想像の世界で歩く。これとは別にホステルのサイトにあった地図を持っていたが、これはラフすぎて何がなにやらという中身なんだけれども、ガイドブックの地図とリンクして見てみると、なんとなくこのまま歩いて着きそうな気がしてきた。
ここまでくるとどうにでもなれ、って感じで歩いてホテルを目指すことにする。歩行者はめちゃくちゃ少ない。かといってゼロでもないので、これがまたコワイ。100人いればダイジョーブだけど。擦れ違う毎にアイコンタクト。たまに「オマエ、大丈夫か？」みたいなことを言ってくれる人もいるけど、大丈夫なハズないじゃーん。公園の横とか歩くときはキョーフ。そうこう歩いているうちにどうにか先が見えてきて、19:30無事にホステルに帰着。いや、もうどうなるかと思ったが、どうにかなるもんだ。
なお、韓国は2-0でGreeceに勝ったらしい。お見事。お見事。
夜、フロント横のTVでEngland vs USA。
Greenの有り得ないミスでUSAが追いついて、1-1。ホントに大爆笑モノのミスだった。
