Denmark vs Japan @ Royal Bafokeng Stadium, Rustenburg

今回の旅で一番の難所、6連戦の初日。


Mufasaを昼前に出て、Bloemfonteinで勝った時のゲン担ぎで、昼から空港で肉を食った。1人で155も散在してしまった。


空港のLuggage Roomに荷物を預けてから、バスでRustenburgへ。16:00くらいに出て、18:00過ぎには着いた。思ったより早かった。
そして、思ったより寒くない。ヘタすると氷点下を覚悟してて、上下ともヒートテック装備。さらにダウンとジャージも用意してたけど、無しでも全然イケるじゃん。


こないだDurbanでやってみて面白かったEmiratesパビリオンでのPKゲームは、ここには無かった。今後の会場では2000点を目標に励みたい。
スタンドでMと合流。奴はDurbanでのNigeria vs Koreaと、昨日のPretoriaでのUSA vs Algeriaも見たらしい。特に昨日のUSAのロスタイムゴールはそのゴール裏、目の前で見てたそうで、物凄い狂乱状態だったとのこと。裏山。しかしMは7連戦になるのか。それも凄い。
席は中段の最後列。気兼ねなく立てた。しかもガラガラだったので、いい席に移動した。ちょっと前の方に名波がいた。俺ら同様、フィールドを背に記念撮影してて、笑った。
観客数は27,000とかそんなの。これまでのワールドカップ本戦での日本戦としては最少でしょう。でも、日本人は多かった。Cameroonに勝った後、急遽参戦を決めたサポもいたと思う。
当然、今日も旗の数は圧勝。


さて、これもMともゲン担ぎで
「Mっちさあ。これ、抜けたら、今度Durbanで高級インド料理奢るから、そっちはCapetownでカラマリたらふく奢ってくれ」
「???」
「いや、こないだBloemfonteinでそういう話してたじゃん」
「あ、そういうこと。いいよいいよ。なんでもやるよぉ」
「俺なんか、今日昼間っから肉食ってきたんだぞ。空港で」
「マジで?! 俺は。。。インド料理」
「お前さあ、もうちょっと考えろよ。日本のためにさあ」



試合。
最初の10分はかなり押し込まれた(Mが隣で「あと88分」、「あと85分」と余計なことを言いやがる)ので「やばいなあ、これ、もつか? もうちょっとプレス行ったほうが良くね?」とか思ったが、徐々にボールが追えるようになってきて、カウンターっぽくなってきた。いいよ、いいよ、その感じ。
そうこうすると、ゴール右ちょい遠目でFKゲット。ただ、本田なら十分狙える距離。遠藤と2人が立つが、距離的にはどう考えても本田が蹴るしかない。


凄いゴールだった。軌道は弾丸一直線。それでいて、落ちた。


うおおおおおおおおおおっ!!!


騒然とする日本人。静まり返るデンマーク人。


こっ、これは。。。もしかして、イケる、のか?!


正直な話、Denmark相手に引き分けというのは決して低いハードルではないと思っていて、引き分けと勝つ可能性を合わせても30%くらいだろうと思っていた。
喉から手が出るほど欲しかった先制点。しかも、押され気味の中での一発。めちゃくちゃ大きいやん。これで、向こうさんは2点必要になった。
さらにもう1度FKゲット。さっきより全然近い。これは遠藤の距離だろう。本田には近すぎる。これ、入りそう。


と思ってたら、本当に入った。右ポストギリギリ。


元々、遠藤は俊輔と共にFKのスペシャリストではあるけれど、一世一代のFK。
マジで、これ、イケるんじゃね?!
FK2発だけで2-0。デンマーク人は、「そんなバカな」って感じでボーゼン。
何度か危ないシーンはあったものの、向こうのミスにも助けられて、無得点で前半終了。CKとか、ホントに心臓止まりそうになるくらい嫌だったけど、中澤&闘莉王は今日も恐ろしいくらい安定。全く競り負け無し。


今日も大久保は走りまくった。松井も変わらず絶好調で、ボールを持てば最低でも1人は交わして前に進む。
Denmerkは、ポゼッション取ってるようでいて、こっちのカウンターを相当な脅威だと感じていたはず。つーか、俺だったらやだぜ。こういうのは。先制点取れてればどうにか、って感じだけどさ。しかも、FKを2発決められてる以上、ぺナの外でもファウルは厳禁。
今日も日本は、「相手の嫌がるサッカー」をやって、それが見事にハマった。見るからに赤いシャツはイライラしていた。


気になったのは、時間を取りすぎて無駄なイエローを貰うケースが多かったこと。
どこかでクリアされるという話を聞いてはいるけれど、定かではない。


クライマックスはラスト5分で起きた。
2-0になった時点で、デンマークは3ゴール必要。普通に考えると相当に困難なミッションなのだが、なにせ4年前、8分で3点失ったのは俺達だ。
PKを取られて、Tomasonのキックを川島が一度は止めたものの、前に弾いたボールを蹴りこまれて2-1になってちょっとイヤーなフンイキ。先週もそうだったけど、勝ち慣れてないので自信がないんだ。
しかし、そんな中で前懸かりになったDenmarkの裏を突いてゴール前に持ち込み、コボレ球を岡崎が押し込んだ瞬間、弾けた。


勝った!勝った!勝った! もう勝った!! 日本は、Denmarkに、勝った!!!
相手の戦意を吹っ飛ばす、完璧なKOパンチ。
この状況なら、いくらフットボールの神様がいたずらしても、5分で2失点は有り得ない。3失点はなおさら。


これで残り時間は、何の緊張もなく、安心して見ていられた。
あと1分、ラスト30、タイムアップ。


ワールドカップの16強かあ。16強だ。おお。マジかよ。


2002年に長居でTunisiaに勝った時とは、全然違う。正真正銘、ハンデなしの大会での16強。堂々6ポイントでの進出。
「いやあ、Mくん、Denmarkは弱かったね。ボク達は6ポイントだよ。6ポイント。Englandより上だからね。もちろん、FranceやItalyよりも上だよ。彼らはもう荷物まとめて帰ったからね。ボクらはあのドイツと一緒。アジアで一番勝ち点取ったのはウチらだからね。1勝1敗1分で通過した連中とはワケが違うと。いやあ参ったなあ。ボクは岡田さんを信じてたよ。なんといっても岡田さんはワセダだよ。しかも一般入試なんだから。ボクらとはちょっと出来が違うんだよ」
みたいなバカな話をしながら、完全に躁状態、この上なく超躁躁状態
マジな話、後半途中から、「たぶん俺らが一番落ち着いてなくて、選手は凄い冷静なんだよな。きっと」と2人で言いながら見てたんだけど、ホントにそうだった。
3-1だったんで、Cameroon戦の時のようなタイムアップのカタルシスもなく、泣く事もなかった。
ただなんというか、ふわふわと放心状態にある、というのはああいうものなんだろうなあ。


いや、もうなんちゅーか。言葉に、できない。
こういう事があるから止められない。
まあなんというか、性悪女に惚れてしまったようなもので、いくらヒドい目に遭ってもたまにこんなに素晴らしいことだってあるから別れられないのだ。程度の差さえあれ、どこのサポだってきっとそうなのだ。
こういう気分を味わえるのは、世界で16ヶ国だけだ。200ヶ国のうちで16ヶ国。どーだ、参ったか。


16:00からの試合でItalyはSloveniaに負けて、Franceと共に前回ファイナリスト2ヶ国は帰国決定。おつかれー。シーズンに向けてゆっくり休んでねー。
F組はParaguayが首位を守ったので、ウチらの次の相手はParaguayになった。正直、向こうはしめしめ、と思ってるだろう。
今大会のParaguayはあまりマジメに見ていないのだけど、カウンター志向という気がするので、もしそうならこれまでとは打って変わった相手になる。
しかもメンバーを限りなく固定してるので、疲労はそうとうキてる筈。ただ、ここまできたら、もう同じやり方でやるしかねえ。


と、同時に、なんだかんだいいつつ1抜け基準で予定を立てていたので、これから修正が大変だ。始末しなきゃいけないチケットも出てくる。
けど、こんなもん、どんだけカネ積んででも追っかけるしかねえっつーの。俺が心の底から応援できるチームは、世界じゅうで、ここだけなので。